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2024年2月01日

出光興産 アポロワン初の車両販売特化店、札幌にオープン

出光興産は1月24日、給油機能を持たず、車両販売に特化した初の店舗を札幌市東区にオープンした。地域のニーズに合わせたモビリティサービスを扱う店舗ブランド「apolloONE(アポロワン)」として営業し、新車・中古車販売、アフターサービス、中古車買い取りを手掛ける。燃料油販売の減少で給油所事業の先細りが避けられない中、車両販売、買い取り専門店のノウハウを全国に先駆けて蓄積していく。

アポロワンは、出光興産が系列給油所の事業変革を目指す「スマートよろずや構想」で進める新たな業態のひとつ。閉鎖した給油所を活用し、洗車やボディコーティング、レンタカー、車検整備、車両販売などから地域のニーズにマッチしたモビリティサービスを扱う専門店のブランドだ。

2023年10月に東京都江東区で、同12月に兵庫県姫路市で洗車、ボディコーティングに特化した店舗が営業を開始。車両販売に特化した拠点は、今回オープンした「アポロワン札幌北39条U―CAR」が初めてとなる。

同店は23年8月に閉鎖した給油所「セルフ北39条」の敷地と建物を活用して営業する。給油所子会社である出光リテール販売の北海道カンパニーが運営。商圏における車両販売への需要やポテンシャルを調査し、新車・中古車販売に特化した拠点とすることを決めた。三輪広樹北海道カンパニー社長は、新店舗の強みについて「長年(給油所を)営業していたため、地域のお客さまに認知頂き、親密な関係にある点」と強調した。

敷地内に常時20台程度の中古車を展示し、スタッフ3人で車両販売、中古車買い取りを展開する。同社が運営する近隣の給油所からの送客も見込む。「近隣の10店程度と連携できるのではないか」(佐伯慎一店長)としており、給油所の集客力と車両販売に特化した店舗の強みを組み合わせ、相乗効果を発揮していく構えだ。

アフターサービスは同店の敷地内にある指定工場「札幌車検センター」で受け入れる。この工場は自動車整備士5人で1カ月の車検入庫は150~170台程度。車両販売だけでなく、アフターサービスも一括して受けられる体制もアピールしていく。

アポロワンは、燃料油販売では採算が合わなくなった給油所からの転換を見込み、2030年までに全国で250店舗とする目標を掲げる。出光興産の吉野晃崇北海道支店長は、今後の展開について「この店舗の実績を見て、特約店から(業態転換の要望が)来る可能性は十分にあると思っている。まずは1号店をしっかりと営業していきたい」と力を込めた。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞1月30日掲載