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2024年1月29日

根強いアウトドア人気に商機 用品メーカー各社もオートサロンでアピール

ここ数年で高まっていたアウトドアニーズは、コロナ禍を経ても衰えていない。ブームが定着しつつある中で、自動車用の市販用品を手掛けるメーカー各社も、これに焦点を当てて商品を発売する動きが活発になっている。アウトドア向けの製品は実用性を訴求したアイテムから、趣味性を追求したものまで幅が広い。特に、車両の見た目を変える外装パーツなどへのユーザーの関心も根強いようだ。「東京オートサロン2024」でも、アウトドア需要の獲得に向け、新製品などをアピールする様子がみられた。

オートサロンの各ブースでは、SUVやバンなど、アウトドアと親和性の高いモデルをベースにした出展も目立った。各社はアウトドア人気に合わせた商品を提供することで、商機の拡大を目指している。

トピー実業(山口政幸代表、東京都品川区)は、SUV人気をけん引する本格的な四輪駆動(4WD)車をターゲットにした新製品をPRした。4月に投入するアルミホイールの新ブランド「VABRO(ヴァブロ)」で、「タフさや造形のインパクトを強調した」(担当者)点が特徴。スズキの「ジムニー」やトヨタ自動車の「ランドクルーザー」などに適応する。同社は、従来もオフロード車向けのホイールを取り扱ってきたが、「売り上げがコロナ前より1・5~2倍に増えた」(同)という。対応ブランドを増やすことで、さらなる販売拡大につなげる考えだ。

カー用品を手掛ける星光産業(宮島秀聡社長、埼玉県吉川市)でも、オフロード車向けの用品需要が高まっているという。今回も「アズート」ブランドのジープ「ラングラー」専用の新商品を出展。今夏に発売予定の「リアゲートランプ」も、実車に装着して紹介するなど来場者への訴求に力を入れていた。

会場では、キャンピングカーに注目するユーザーも多かった。特に多くの来場者を集めていたのは、部品メーカーのカヤバだ。同社は25年に発売する計画で自社開発している新モデルを並べた。フィアットプロフェッショナルブランドの商用車「デュカト」を架装した車両で、同社のラインアップとしては第1弾となる。足回りに油圧ポンプやシリンダなどを一体化した「電動油圧アクチュエーター」を採用。車両重量がかさむキャンピングカーは走行中、不安定になりがちだが、ショックアブソーバーづくりの技術力を生かした設計で車体の安定性を高めた。

アウトドアのレジャーをより充実したものにすることを目指しているのが、車両整備などを手掛けるカーファクトリーターボー(山本剛史代表、青森県つがる市)だ。同社は荷室をサウナ仕様に架装した車両を出展した。車内に設置した薪ストーブにより、サウナ部の室温は100度以上まで熱することができるという。煙突を取り付け、防火や防煙対策も施すなど、安全性も確保している。

アウトドア関連の需要は根強いものがあり、当面、用品市場でも人気ジャンルの一つになりそう。ただ、この傾向をより長く維持していくためには、ユーザーの関心を引き上げる新製品の投入を続けていくことが鍵を握りそうだ。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞1月25日掲載