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2023年12月26日

警察庁 「新基準原付」は出力抑えた100~125cc、二輪車に新区分導入

警察庁は、最高出力を4.0㌔㍗(約5.4馬力)未満に抑えた排気量100~125ccの二輪車を「新基準原付」として認める方針を決めた。関係省庁と連携し、2025年11月に始まる新たな排ガス規制の前までに道路交通法などを改正して新区分を導入する。排ガス規制の強化で存続が危ぶまれていた「原付バイク」が姿を変えて生き残ることになる。二輪車メーカーの生産や協業関係も変わりそうだ。

25年11月に適用される排ガス規制で、50cc以下の原動機付自転車(1種)は規制適合コストが上がり、商品力が大きく失われるとして、二輪業界は原付2種免許が必要な125ccモデルの活用を要望。警察庁は区分の見直しに向け、安全性や排ガス性能の検証を行ってきた。一般運転者らを対象にした車両の走行評価や関係者のヒアリングを通じ、新たな区分でも、現行の原付免許(1種)の保有者が「現行原付と同程度に容易かつ安全に運転できることが確認できた」と結論づけた。今後、関係省庁と連携し、外見上の識別方法や不正改造の防止対策などを検討する。

また、不正改造された場合に完成車状態で最高出力を測定する対策の検討や「出力制御をしていない125ccの二輪車を原付免許で運転できる」といった誤解がないような周知も徹底する。

原付の区分が変わることで、二輪車メーカーの生産や協業関係も変わる。現在、50cc級の二輪車を生産しているのはホンダとスズキの2社。いずれも国内工場で組み立てているが、新区分への移行に伴い生産を打ち切る見通し。ホンダ幹部は「ガソリン車の生産を終えることになるが、空いたスペースや設備を活用し、熊本工場の電動バイクの生産能力を拡大していく」と語る。

ヤマハ発動機は現在、ホンダから50ccのOEM(相手先ブランドによる生産)供給を受けている。今回の区分見直しでOEM供給は終了し、自社の海外工場で生産するモデルに切り替える見通しだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞12月25日掲載