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2023年12月20日

営業区域外でタクシー運行 北海道・ニセコで全国初の実証実験

旅客需給に応じ、他の営業圏からドライバーとタクシー車両を受け入れる全国初の取り組みが北海道倶知安町とニセコ町で始まった。両町は18日、「ニセコモデル」の出発式を開催した。海外からのスキー客が集中する期間の輸送力不足が深刻なニセコエリアで試験運用し、タクシー不足の解消に有効な手立てとなるのかを検証する。

出発式には、タクシー配車アプリなどを手がけるGO(中島宏社長、東京都港区)と北海道ハイヤー協会(今井一彦会長)、北海道倶知安町、北海道ニセコ町の関係者が出席した。

タクシー車両と乗務員を他の営業圏から期間限定で受け入れる、道路運送法上の「営業区域外旅客運送」を活用した全国初の試みで、冬のリゾート客でにぎわうニセコエリアのタクシー不足解消につなげる。4者は今年10月に連携協定を締結。国土交通省と全国ハイヤー・タクシー連合会(川鍋一朗会長)も参画する。

初運用となる今シーズンは札幌圏と東京から合わせて8社11台、ドライバー25人が「応援隊」として常駐する。倶知安町とニセコ町にまたがるニセコのリゾートエリア内を発着地点とし、冬季に急増するインバウンド需要に配車数が足りているかや、使用するGOの専用アプリで効率的な運行ができるかを来年3月19日まで検証する。国は実証結果を踏まえ、他の観光地への拡大も検討する。

北海道ハイヤー協会の今井会長は「業界団体と民間、行政が一体となった新しいモデルをつくることで、全国に住民や旅客の足を確保していけるということをしっかり発信していきたい」と語った。

GOの中島社長は、試運行を踏まえ「稼働状況も良く、順調に推移している。このままのペースであれば、十分に貢献できると思う」と話した。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞12月19日掲載