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2022年12月01日

「バスターミナル東京八重洲」開業 ターミナル化で利便性改善

JR東京駅近くに新設された「バスターミナル東京八重洲」(BTY、東京都中央区)が報道陣に公開された。再開発エリア「東京ミッドタウン八重洲」に整備される高速バスターミナルで、9月に開業した第1期エリアでは東京駅周辺の路上で発着していた1日約1200便のうち半数近くの550便ほどを受け入れた。

新規便を加えると同600便が発着する。乗り入れるバス事業者は50社で、開業後1カ月で約1万便の乗降が行われた。2025年には第2期エリア、28年には第3期エリアがそれぞれ開業予定で、これらにより国内最大級の高速バスターミナルが完成する。

BTYは、UR都市機構が再開発エリアのバスターミナル部分を取得し、京王電鉄バスが運営する。今回開業したエリアは地下1階と2階に整備されたもの。東京駅周辺の特に八重洲側の高速バス停留所は、方面ごとに道路上に散在していることから、鉄道との乗り換えが不便だった。さらに横断歩道を渡っての移動が必要な場所が多く、アクセス性の改善を求める声が上がっていた。

両社はターミナル化によって、これらの課題解決を目指した。まず停留所を1カ所に集約することで、乗客がバス停を探す負担を少なくできる。さらに「八重洲地下街」を通じて東京駅と直結。天候にかかわらずバス待ちや乗降時の快適性を確保できるほか、チケットカウンターと待合スペース、授乳室などの設備、飲食・物販店が隣接するなど、従来停留所に対し利便性を大きく改善した。

乗降用6カ所、車両待機用3カ所の合計9バースを備える。主な便は東北方面、関東方面で、このうち6割を占める千葉方面の便が通勤・通学に利用されているという。

UR都市機構東日本都市再生本部の五島芳宏課長は「(八重洲エリアには)3つの再開発組合が存在し、地権者もそれぞれ異なり、竣工時期も違うので3つの別々のターミナルができてしまうことが懸念されていた。それでは困るということでURが参画し、1つのまとまりにできるようにした」と、バスターミナルづくりに参画した経緯を述べた。また第3期エリアが完成すると20バース、延べ面積2万1千平方㍍の規模になるという。

BTYは、東京では16年4月開業の「バスタ新宿」に続く最新デザインを取り入れた高速バスターミナルとなり、高速バス事業の活性化への効果が注目される。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞11月28日掲載