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2022年9月05日

カー用品メーカーがホームセンターに照準 「ついで買い」取り込み成長へ

カー用品の重要な販路の一つであるホームセンターでの取り扱い拡大に向け、メーカーや流通各社が取り組みを加速させている。車両の補修や洗車関連の用品は、ホームセンターで購入するユーザーが少なくない。日用品を探しに来店したユーザーの「ついで買い」につながる可能性もある。

ホームセンターで販売を伸ばしていくためには、店頭でのアピール力が左右する。このため、カー用品関連企業はホームセンター各社に自社の商品の魅力や価値を訴求することで、販売力の底上げに力を注いでいる。

日本DIY・ホームセンター協会(稲葉敏幸会長)が幕張メッセ(千葉市美浜区)で開いた「第58回ジャパンDIYホームセンターショー2022」。ここでもカー用品などを手掛ける企業が数多く出展し、ホームセンター各社にPRする姿が目立った。

今トレンドとなっている製品を紹介するだけでなく、洗車用品などの使用方法を実演するなどし、説得力を高める試みも見られた。ホームセンター各社の関心を高めて売り場面積を増やすなどし、一般ユーザーの販売増につなげたい考えだ。

ソフト99コーポレーションは特設ブースを構え、自社製品を活用してクルマの輝きをよみがえらせる「レトロカー再生への道」プロジェクトで修繕した日産自動車の「パオ」を展示した。旧車人気や愛車のメンテナンス需要の高まりから、補修用品を活用したDIYの事例を紹介し、自社製品の取り扱いを増やす狙い。

これに関連し、情報管理アプリケーション「どらあぷ」のほか、タイヤ空気圧監視システム(TPMS)とのアプリ連携など安心安全を基軸にした取り組みも訴求していた。

部品商社のエンパイヤ自動車(上橋敦社長、東京都中央区)ではさまざまなメーカーを取り扱っている利点を生かし、ついで買いにつながるような商品群をまとめて展示した。担当者は「コロナ禍を機に、ホームセンターの来店頻度は下がったが客単価は上がる傾向にある」とし、ホームセンターでのカー用品の販売拡大に意欲をみせている。

ジョイフル(佐藤勝社長、宮城県富谷市)は、オリジナルブランド「エナジールブ」の認知拡大に取り組んだ。持続可能な開発目標(SDGs)の観点からパッケージを、従来のボトルなどからパウチに切り替え資源の削減なども狙っている。担当者は「業界トレンドの流れに乗り、環境対応もテーマとして多くの人に手に取ってもらいやすい新製品を展開していきたい」と意気込みをみせる。

業界団体としてもホームセンターでの販路拡大を後押しする取り組みを進めている。オートアフターマーケット活性化連合会(AAAL、住野公一代表)は、4月28日と11月28日に設定した「洗車の日」を周知した。

AAALが実施するアンケートでも、一般ユーザーの洗車に対する意識が高まりつつあることが分かっている。メーカーを束ねる団体を代表して、ホームセンター関連各社や来場者に洗車の効果を訴えることで、関連用品の販売増に貢献していく考えだ。

今回のジャパンDIYホームセンターショーは緊急事態宣言が全面的に解除されたこともあり、一般来場が解禁された。会場には業界関係者だけでなく、DIYに関心が高い消費者の来場も目立っていた。

カテゴリー 展示会・講演会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞9月1日掲載