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自動車産業インフォメーション

2022年4月18日

経産省 産業界向け、サイバー攻撃対応策を公開

経済産業省は、被害件数が増加傾向にあるサイバー攻撃への対応策を産業界に公開した。足元では、ウイルスソフトに感染させて身代金を要求する「ランサムウエア攻撃」の発生件数が拡大しており、自動車産業にも被害が及んでいる。企業に対し、再度対策の徹底を呼び掛けることで、安定した生産、供給体制の構築を図る。

経産省の有識者会議「産業サイバーセキュリティ研究会」が公表した。コロナ禍でテレワークが拡大したことを受け、脆弱性が指摘されているVPN機器(リモート接続機器)への対応を強化することや、ランサムウエア攻撃を受けて金銭を支払っても機密情報が漏れる可能性があるため支払いは慎むこと、被害にあった際は感染拡大を防ぐため、取引先や専門機関に早急に連絡することなどを呼び掛けた。

自動車関連企業でも、ランサムウエア攻撃の被害は増えている。2月下旬には小島プレス工業(小島栄二社長、愛知県豊田市)がウイルスに侵され、同社から部品を調達していたトヨタ自動車も、一時、国内全工場の稼働停止を余儀なくされた。20年6月にはホンダも攻撃を受け、国内外9工場の稼働を停止しているほか、今年2月にはブリヂストンの米子会社も被害に遭い、工場を約1週間停止した。

警察庁によると、昨年国内でランサムウエアの被害にあった企業は146社で、そのうち4割近くが製造業だった。特に自動車産業は、中小企業を含め供給網が複雑な分、狙われやすい。加えて取引先を装った不正メールを使って攻撃する「エモテット」被害も増えており、3月の発生件数は20年の5倍以上に急増した。

経産省は、効果的なセキュリティー対策や被害時の適切な対応を示すことで、安定した企業経営を支援していく考えだ。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞4月13日掲載