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2022年4月04日

中古部品再生「リビルト部品」に存在感 中古車人気が背景に

自動車リサイクル部品の流通現場で、中古部品を新品同様に再生したリビルト部品の存在感が増している。整備工場などに補修部品を卸している部品商の中でも、リビルト部品を積極的に取り扱うケースが目立っている。ある部品商では売り上げに占めるリビルト部品の割合について、「現在は約4%だがすぐに10%を超えるだろう」と見ている。

こうした背景には新車の供給の遅延が一因だ。下取車の発生も減少し、中古部品の基となる使用済み車も不足している。新車の遅れ解消はめどが立っておらず、今ある部品を再生できるリビルト部品の需要増は当面続きそうだ。

自動車リサイクル促進センター(JARC、中村崇代表理事、東京都港区)が発表した今年2月の使用済自動車発生台数は前年同期比15・3%減の20万9968台にとどまった。この傾向はここ最近続いており、リサイクル事業者を取り巻く状況が厳しくなっていることが分かる。新車供給の遅れによって、中古車人気が高まっていることも使用済車の発生不足を招いているとみられる。

中古部品の供給が不足していることで、リサイクル部品の需要はリビルト部品に集中。部品商の中でも「今やリビルトなしには生きていけないような状況だ」という。今後、しばらくはリサイクル部品を求める整備工場などでは選択肢が狭まりそうだ。

リビルド工業会全国連合会の深澤広司会長は最近のリビルト部品を取り巻く現状について、「これからより求められるはず」と期待を示している。「新品部品と交換した際に外れた部品も含め、リビルト部品はコアさえあれば生産できる」とリビルト部品の供給面の強みを生かし、さらなる需要拡大に取り組む考えだ。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞3月28日掲載