会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2021年9月02日

国交省、タクシー利便性向上へ「ソフトメーター」 10~11月に実証実験

国土交通省は、タクシーに導入を検討中のGPS(全地球測位システム)の移動情報を基に運賃を算出する「ソフトメーター」および、需要に応じて運賃を変動する「ダイナミックプライシング」の実証実験を10、11月に実施する。

料金メーターのソフトウエア化に伴う多様な運賃サービスの可能性や、変動料金による採算性、乗客の利便性などを検証し、実用化に向けたノウハウを蓄積する。これに伴い実験に参加するタクシー事業者を9月10日まで募集。実験地域は応募状況を踏まえて決定する。

ソフトメーターは、既存のメーターに対し管理・維持費などの経費削減につながるほか、ソフトウエアのみの変更で多様な運賃・料金サービスの提供が可能になるため、導入が議論されている。今回の実証実験ではGPS情報で走行距離を推定する機能をタクシー車両に搭載し、既設のメーターとの誤差を確認する。

併せて、異なるソフトウエア企業が制作した複数ソフトメーター間の誤差を同一経路を走行して確認する。実験車両の乗客からは既設メーターの料金を請求する。

ダイナミックプライシングは、朝夕などタクシー利用者が増加する時間帯とその他の時間など受給に応じ一定の範囲内で料金変動を可能にする制度。実験では、天候やイベントなどによる需給変化に応じた料金調整を試す。

リアルタイムでの変動に加えて、各社があらかじめ設定した条件による料金変動も試せる。変動運賃は配車アプリを通じて乗車前に確定させることとし〝流し営業〟では利用不可にして乗車料金の明朗性を保つ。

変動運賃の幅は、公定幅の上限から2割増しした額と、公定幅の下限から1割引きした額の範囲内とする。既存の深夜割り増しや障害者割引が併用できるものとする。

実証実験にはソフトメーター、ダイナミックプライシングの両方、もしくはどちらか一方のみでも参加可能。国交省は参加事業者に輸送実績の報告とアンケート回答に協力してもらい、今後の施策立案に役立てる。

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞8月30日掲載