会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2021年8月30日

国交省、22年度の概算要求 「グリーン化」「デジタル化」推進

国土交通省が26日明らかにした2022年度当初予算の概算要求額は、一般会計で21年度比18%増の6兆9349億円だった。このうち、政府が新たな経済成長の原動力に位置づける「グリーン化」や「デジタル化」など重要分野の推進に向けた特別枠「新たな成長推進枠」には1兆5989億円を計上した。

新型コロナウイルス感染症の影響が長引くほか、激甚災害の頻発など外部環境は厳しさを増している。自動運転や電動化など次世代技術への対応も急ぐ必要があり、「多岐にわたる課題の中で最大限の要求をした」(国交省)とし、2割近い予算増額を目指す考えだ。

22年度の概算要求の内容は同日行われた与党の国交関連会議で示された。国交省全体の要求内容は「国民の安全・安心の確保」「社会経済活動の確実な回復と経済好循環の加速・拡大」「豊かで活力ある地方創りと分散型の国づくり」の3本柱で構成。

その中で「交通安全対策の推進」については、千葉県八街市で発生した飲酒運転のトラックによる児童5人の死傷事故を踏まえた通学路の合同点検などを盛り込み、21年度比24%増となる2265億円を要求した。自動車の電動化促進と電動化に対応した道路インフラの社会実装では、同2倍増近い9億円を求めた。

自動車局関係の概算要求額は21年度比5%増の648億円。所管する自動車整備事業や運輸業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)による生産性、働き方改革を支援する事業に加え、50年の温室効果ガス実質ゼロ化を見据えた電動車関連で新たな予算獲得を目指す。公共交通・物流政策関係は同25%増の262億円で、ポストコロナを見据えた地域公共交通の整備に関する事業などを推進していく方針だ。

その一方、国交省は概算要求段階で具体額を明示しない「事項要求」も行う。この一つが一般会計に貸し出している自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の積立金の自動車安全特別会計への繰り戻しだ。財務当局との今後の交渉で、増額に取り組む考え。さらに、コロナ禍にともなう人流減によって業績が悪化した地域公共交通の支援などに必要な経費が、現時点で読み切れない。このため事項要求とし、引き続き検証を進める計画だ。

カテゴリー 会議・審議会・委員会
対象者 自動車業界

日刊自動車新聞8月27日掲載