2019年8月26日
神奈川県など、自動運転バス 右折支援など検証 江の島で2回目
江の島を自動運転バスが走る―。神奈川県が進める「ロボット共生社会推進事業」の一環でレベル3相当の自動運転バスの実証実験が21日、江の島の公道で始まった=写真。実証実験は昨年に続いて2回目となる。今年は走行距離の延長やバス停を追加したほか、信号との協調や交差点に設置したセンサーによる右折支援などの技術検証も実施する。一般モニターの試乗も予定。交通量が多い神奈川県内屈指の観光地・江の島で実用に近い環境で実証実験を行い、サービスや技術の両面で実用化に向けた検証に取り組む。
今回は昨年の実証実験に参加した小田急電鉄や江ノ島電鉄、自動運転技術を手がけるSBドライブや先進モビリティに加え、自動運転バスと信号の連携でコイト電工が、交差点の右折支援でIHIが新たに参加した。実験車両は昨年に引き続き、日野自動車「ポンチョ」をベースにした自動運転車で、緊急時以外はシステムが運転を制御する。
走行ルートは江ノ電バスの運行区間を一部使用したもので、昨年から約2倍の距離となる往復4㌔㍍を走行する。車両には運転手のほか、車掌が乗車し、乗客の本人確認や、ベビーカーや車いす利用者の乗降の補助、車内外の安全確認などを行い、自動運転バスの実用化に向けて無人運転バスにおける車掌の必要性などを検証する。
また、技術面では交通インフラと協調した車両制御を検証する。自動運転バスが信号情報を取得して走行するほか、交差点に設置したセンサーで対向車の有無を確認し路車協調による青信号時の右折支援も実施する。交差点に設置したセンサーはIHIが高度道路交通システム(ITS)向けに開発した3次元レーザーレーダーを使用する。同社が自動運転車の実証実験に参加するのは今回が初めてとなる。
実証実験は30日まで。セーリングワールドカップ江の島大会の期間中に当たる26~30日には一般モニター約550人による試乗も行い、自動運転車に対する社会受容性の向上を図る考えだ。
日刊自動車新聞8月22日掲載
開催終了日 | 2019年8月30日 |
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カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
開催地 | 江の島 |
対象者 | 一般,自動車業界 |