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2019年8月24日

使用済みHV、総引取り台数の1%未満続く 中古車輸出拡大が発生抑制

年間新車販売が110万台を超えるハイブリッド車(HV)の廃車台数について、使用済み車として引き取られるのは総台数の1%未満にとどまり続けていることがわかった。

2018年度のHVの引取台数は2万8443台。総引取台数は337万8995台だったため、HVの割合は0・84%となった。前年対比では1・9㌽伸びてはいるものの、過去10年を見ても1%未満の状態が続く。一方、中古HVの輸出は総台数の1割を超えるまでに拡大しており、旺盛な外需が使用済みHVの発生を抑制する一因となっている。

18年度の使用済みHVの引取台数は前年度比32・7%増の2万8443台。登録車が同30・5%増の2万7381台、軽自動車が約2・3倍の1062台だった。総引取台数に占めるHV比率はわずかだが年々増えている。

初代「プリウス」の発売から10年後の07年度は0・00%だったが、15年度は0・32%、16年度は0・4%、17年度は0・65%と推移する。また、引取台数は16年度に1万2335台となり1万台の大台を突破。17年度には2万1435台と倍増した。今年度は3万台超えが確実な情勢だ。

新車販売と使用済み車引取台数の比率はおおよそ6対4。18年度は約525万9500台の新車が販売され、約337万9千台が引き取られた。新車販売に対する使用済み車の比率は64・2%だった。
HVに限ると、この比率が2%前後にとどまる。18年度のHV新車販売台数(PHV含む)は約114万3264台、引取台数は2万8443台で、販売台数に占める割合は2・5%となった。
初代プリウスが登場して20年。使用済み車の平均使用年数が15年を超えている今、台数が増えていくことは間違いない。ただ、それを加味しても使用済みHVの発生台数が少ないのは、海外に中古車として輸出されることが要因の一つとして上げられる。
中古HV輸出は11年度に1万1019台、14年度に5万7300台、17年度に11万8932台と10万台を初めて突破した。18年度は15万3624台となり、総輸出台数に占める割合も初めて10%を超えた。

19年上半期(1~6月)は優遇税制を停めたスリランカが激減し、前年同期比10・2%減の7万4918台(日本中古車輸出業協同組合まとめ)だったものの、モンゴルやロシア、ニュージーランドなどその他の仕向地への輸出は好調を維持している。
国内ではHVの車載バッテリーや基幹システムを再利用する動きが進む。今後の中古車輸出動向によっては、リユースやリサイクル事業にも影響を及ぼす可能性も否定できない。

日刊自動車新聞8月23日掲載

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