2019年7月27日
米国販売4社がマイナス 日系メーカー6社1~6月
トヨタ自動車など国内乗用車メーカー6社の2019年上期(1~6月)米国新車販売実績は前年同期比3・5%減の319万5316台となった。18年上期は6社とも前年実績を上回ったが、今期は三菱自動車とスバルを除く4社がマイナスに転じた。米国市場が減速するなかで、日系メーカーも苦戦を強いられた。世界2位の大市場の販売低迷が下期も続くと、業績への影響は避けられない。 米国の上期市場はライトトラックがプラスとなったものの乗用車が大きく台数を落とし、全需は前年割れとなったもよう。乗用車の不振が日系メーカーに影響を及ぼした。
トヨタ自動車は、「カムリ」「カローラ」「プリウス」などセダン系が減少し、乗用車は7・7%減少した。一方、ライトトラックも0・2%減とわずかに前年を下回ったものの、SUV「RAV4」が好調を維持し6月単月では過去最高を記録。ライトトラック比率が上がり「利幅の高いクルマに切り替わりつつある」(小林耕士副社長)ことから、収益力は高まっている。
日産自動車は8・2%の大幅減となった。同社は米国事業立て直しに向けて販売奨励金(インセンティブ)を抑制した結果、乗用車は10・2%減、ライトトラックも6・6%減と販売が低迷。西川廣人社長は「相当時間がかかることは覚悟している。簡単に台数を伸ばせる状況でもない」と話しており、販売回復には時間を要しそうだ。車名別ではコンパクトセダン「ヴァーサ」やSUV「パスファインダー」が健闘した。
ホンダも市場の落ち込みに比例して1・4%減となった。「CR―V」や「シビック」など主力車種の競争環境激化によって前年を下回った。マツダは、全車種が前年実績を下回り、15・5%の大幅減となった。マイナスに転じたのは17年上期以来、2期ぶりとなる。
一方、プラスを維持したスバルと三菱自はSUV販売で台数を伸ばした。スバルは10年連続前年超えで、上期販売としても過去最高を記録した。三菱自はSUV「エクリプスクロス」が販売台数を伸ばした。
6月単月の日系メーカー6社の米国販売は、前年同月比6・8%減の55万8413台だった。トヨタのRAV4が過去最高を記録するなど一部の新型車が販売を伸ばしたが、市場低迷のあおりを受けて日系メーカーの販売も落ちこんだ。
日刊自動車新聞7月24日掲載
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主催者 | 日刊自動車新聞社まとめ |
開催地 | 米国 |
対象者 | 自動車業界 |