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2019年7月17日

日整連、教育施設を特定整備作業場への活用検討

日本自動車整備振興会連合会(日整連、竹林武一会長)は、各都道府県の振興会の教育施設を、会員事業者が先進安全技術の校正作業(エーミング、キャリブレーション)を行う共用作業場としての活用を検討すると明らかにした。来春に導入される新たな認証制度「特定整備」への対応策の一つとして可能性を探る。特定整備の認証要件を巡っては現在、国が作業の外注や設備の共同使用についても議論を進めている。整備業者からは認証取得がコスト面などで負担となる懸念も上がっており、日整連は会員事業者の経営支援も踏まえて各地域での連携強化や施設の共用利用などを模索する。

10日に都内で行った記者会見で、特定整備における地域連携の1つのあり方として方向性を示した。日整連は「指定整備事業制度における作業責任の所在に関する議論が出てくる」と指摘したうえで、特定整備の認証取得が整備事業者にとって過度な負担にならないよう、「校正作業を行える施設の共有や共用への対応を各振興会が行ったり、既存施設を会員事業者に貸し出すことができるのかどうか。(課題解決への)メニューの中にある」と説明した。

先進安全技術や自動運転技術など、車両に搭載される技術が年々高度化する中、整備事業者も高度整備の対応力が従来に増して問われる。併せて特定整備への対応も図らなくてはならない。ただ一方で、日整連は「自動車メーカーや車種によって対応すべき技術はさまざま。整備事業者がすべてに対応できるだけの力をつけていくのは難しい」とも認識しており、その対応策の一つとして各地域での会員相互の連携強化を挙げる。
「ディーラーと専業者、専業同士の連携、施設の共有、共用という形でも進んでいく必要がある」とも指摘。「振興会や商工組合の既存施設を活用するのはまさに共有、共用のかたち。今できないことになっているのであれば、そうした道を作るための働きかけは日整連本部の仕事として進めていきたい」と話した。
ただ、振興会の施設を利用した整備作業は「周辺の事業者から見て商売敵と捉えられる可能性がある」のも事実。また、共有、共用した場合の作業責任の所在など明確しなければならない課題もある。そうしたことも踏まえたうえで、「整備工場が効率的で生産性の上がる事業体制を構築するための取り組みを進めていく」との意向も示した。
特定整備の対象作業や認証要件などについては、国土交通省が今秋をめどに公表する予定だ。認証取得は4年間の経過措置を設けているものの、カメラやミリ波レーダーといったセンサー類の校正作業を行うには必ず取得しなければならない。

日刊自動車新聞7月12日掲載

カテゴリー 白書・意見書・刊行物
主催者

日本自動車整備振興会連合会

対象者 自動車業界