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2019年5月27日

19年3月期の自動車正味収入保険料、損保大手4社ほぼ横ばい

2019年3月期の損害保険大手4社の自動車正味収入保険料(単体)は、前年実績に比べてほぼ横ばいとなった。同年1月に自動車保険の料率を数%引き下げた影響で、保険料収入の減収が懸念されていたが、各社の営業努力による契約件数や「特約の付帯に力を入れた」(あいおいニッセイ同和損害保険)ことによってカバーした格好だ。自動車以外を加えた正味収入保険料の20年3月期見通しは、4社すべてが増収を見込む。しかし、今年10月に予定されている消費税増税の影響によっては、各社の業績を左右する可能性もありそうだ。

各社が属する大手損保3グループの19年3月期連結決算で、保険料の収支状況が明らかになった。4社単体の自動車正味収入保険料の増減率は、各事業会社で同0・5%減から0・1%増と小幅な範囲に収まった。「補償拡充や契約台数の増加がプラスの効果になった」(東京海上日動火災保険)と、営業力や商品力の強化に取り組んできた成果を裏付ける。「ドライブレコーダー貸与型特約など、新たな特約が好調だった」(三井住友海上火災保険)ことなど、特約付帯率の向上に力を入れたことも後押しした。

正味損害率は4社とも上昇した。昨年は西日本豪雨など大規模災害が頻発したことにより、保険金の支払いが増加したことが大きいためだ。しかし、自動車保険は、緊急自動ブレーキ装着車の普及などによって事故件数が減少しており、各社の収益の安定化に貢献したとみられる。
一方、3グループの20年3月期の連結業績予想では、全社が増益を見込んでいる。保険は非課税のため、消費税増税による保険料収入に与えるインパクトは小さいとみられる。しかし、「修理費用などは課税対象なため、(利益面での)影響を大きく受けるのでは」(SOMPOホールディングス)と指摘する声もあり、各社は引き続き、動向を注視していく方針だ。

日刊自動車新聞5月24日掲載

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