2019年4月27日
経産省、金型受発注の適正取引 改めてルール明確化へ、夏めどに産官学協議会
経済産業省は、自動車製造などに必要な金型について、受発注間の適正な取引や管理を促す方策づくりに着手した。2017年に型管理に関するアクションプランを打ち出したものの、足元では、中小など受注側から見ると型の管理費用を大手の発注側が負担する取り組みは約1割と進捗率が低い。型の保管期間など目安を求める声も挙がっていることを受け、今夏をめどに産学官の協議会を設置し、2019年度内にも取引のルールをより明確化する。
金型は、自動車や産業機械など幅広い産業分野で製品をつくる上で欠かせない存在で、種類や大きさもさまざま。金型を保管するには一定の場所の確保が必要でコストがかかる。自動車関連では、金型の管理を巡って、製品を受注する中小企業が型を保管しているケースも多々ある。
経産省は型の管理や保管、廃棄などでの取引慣行に関する研究会を17年1月に開催。その後議論を重ねながら同7月に保管料の支払いなどに関する具体的なアクションプランを同7月にまとめた。
アクションプランの方針は不要な型の廃棄、取引事業者間での保管費用の支払いなどを合意の上決めることなどの方針を打ち出した。ただ、同プランの進捗は全体的に横ばいもしくは、低下している。型の返却・廃棄で見てみると、受注側が17、18年度とも約2割で推移し、保管費用の発注側負担については18年度が1割と前年度の2割から低下した。
経産省では、アクションプランを掲げてビジョンを示しながら、型の取り扱いに関する覚書や管理台帳などのフォーマットを提供してきた。しかし、型の保有期間などの実際のルールづくりについては、各社の取引慣行が残っていたこともあり、踏み込めておらず、各社から量産終了後の型の保管期間などの目安を求める声が出ていた。
型管理の適正化に向け、それぞれの取り組みのばらつきがあったことを踏まえ、自動車や産業機械などの分野の大手や中堅企業を中心に、経営層や調達部門など幅広い層に対して働きかける。中小企業庁などと連携して、ヒアリングなどを行い、現状の把握と対策を練る。業界からの声を踏まえながら、今夏をめどに協議会を立ち上げ、19年度中には目安をつくる。
日刊自動車新聞4月24日掲載
カテゴリー | 白書・意見書・刊行物 |
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主催者 | 経済産業省 |
対象者 | 自動車業界 |