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2018年11月22日

自民党、税負担軽減へ本格始動 「消費増税前に」

自動車関係諸税の見直しに向けた自民党内での動きが本格始動した。21日から始まる党税制調査会の議論を前に、16日には自動車議員連盟(額賀福※志郎会長)が総会を開き、自動車業界団体幹部と衆参両院の国会議員が意見を交わした。この中では額賀会長が「対極的な見方と戦略を持ちながら短期的な需要減対策を考え、自民党らしい政策を打ち出したい。腹を決めて取り組む」と挨拶するなど、負担の軽減と簡素化に向けた力強い発言が相次いだ。すでに党内では税調のほか、経済産業部会などでも自動車税制に関する勉強会などが活発に開かれており今後、年末の税制改正大綱のとりまとめに向けた熱い議論が予想される。

自動車議連総会には、議員本人128人(代理84人)のほか、日本自動車会議所の内山田竹志会長、日本自動車工業会の石井直生常任委員長、日本自動車販売協会連合会の小関眞一会長、日本自動車連盟(JAF)の矢代隆義会長ら16団体・34人と井上宏司製造産業局長ら経済産業省幹部も出席した。

各団体からの意見要望の発表に続く意見交換では、10人の議員が発言。「消費増税を前に、この際、いいきっかけなので、自動車税の大幅な引き下げをやってしまった方がいい」といった熱い意見表明が続いた。
議連の細田博之幹事長はまとめの挨拶で「あとわずか3週間で大綱が決まる。5週間後には関連する予算も決定する。各部会、各議連の議員はこの間、よく働いて、今日の意見を反映していきましょう」と、活発な取り組みを促した。
総会終了後、記者団の取材に対し額賀会長は「消費増税を受け、国内市場を守るためにもユーザー負担を軽減しなければならない。また、激烈な国際競争の中で、競争力をつけて勝ち抜かねばならない。そうした意見を踏まえ、党の税制論議の中でしっかりと考えたい。今日はスタートだ」と述べた。

【主な議員の発言内容は次の通り(敬称略、カッコ内は選挙区)】
竹本直一(衆・大阪15) 軽自動車並みの税金がグローバルスタンダード。この事実を知っておいた方がいい。自動車税を下げないと、ますます国内販売が減ってしまう。

礒崎陽輔(参・大分) 道路特定財源をなくすとき、自動車税の減税について「消費税引き上げまで待ってほしい」とお願いした。党としての約束は、きっちりと果たさないといけない。

齋藤健(衆・千葉7) 今ほど、自動車業界の将来に不安を感じることはない。危機感を共有し、見識と根性を持って乗り越えたい。

船橋利実(衆・北海道1) 国民生活の中心がクルマ。環境性能だけでなく、安全性能に対する減税も付け加えていい。

西村明宏(衆・宮城3、経産部会長) 自動車産業が基幹産業として日本経済をけん引するとの強い意欲を持ってもらうためにも、自民党としてしっかりとしたメッセージを発信しなければならない。部会長としての決意だ。

三原朝彦(衆・福岡9) 国際協力で遅きに失しないよう自動車業には頑張ってもらいたい。製造業のリーディングインダストリーに重い負荷をかけるのは酷だ。

三宅伸吾(参・香川) 車体課税の軽減は当然。できなければ産業政策にとってブレーキで、安倍政権には成長戦略もないということになる。自民党議員の7割がこの議連に入り、税調のインナーもいる。これで減税を勝ち取れないことはあり得ない。

務台俊介(衆・長野2) 自動車税収が道路事業費を下回っていることはショッキング。道路を造ってほしいという要望と自動車税制、それをどう考えるかはとても重い問題。一方で、クラシックカーへの重課の問題も考えたい。

吉川ゆうみ(参・三重) 今年が正念場であり、最後のチャンスかもしれない。安倍政権は地方の活性化と言っているが、地方ほど負担が重い自動車税は政策に逆行する。地方では生活や子育てにもクルマが重要。これなくして日本の少子高齢化対策はない。

高橋ひなこ(衆・岩手1) 地方では女性と農家は軽自動車で支えられている。2015年に軽は大幅な増税になった。ここは絶対に増税にならないようにしたい。
※=旧字体

日刊自動車新聞11月17日掲載

開催日 2018年11月16日
カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

自動車議員連盟