会員向けクルマ
biz

INFORMATIONクルマの情報館

自動車産業インフォメーション

2018年11月16日

国交省検討、自動運転車のEDR技術要件 映像記録機能も

国土交通省は、一定レベル以上の自動運転車に映像記録機能付きの「イベント・データ・レコーダー(EDR)」の装着を義務付ける方向で検討を始めた。

道路運送車両法に基づく保安基準で定めるEDRの技術要件への適合を前提に自動運転車の型式を指定する考えだ。EDRの技術要件はドライブレコーダーなどを扱う用品メーカーも注目している。型式指定の条件になることで市販市場は限定的になる可能性もある。

EDRは、エアバッグの展開を伴うような衝突事故の際、衝突前後の車両挙動などを記録し、後から確認できるようにする装置。国内では2006年頃から搭載が始まった。装置の大半はエアバッグの制御コンピューターと一体化しており、センターコンソール下部などに組み込まれている。専用端末を使って衝突前後のデータを読み出す仕組みだ。

自動運転車の場合、EDRによって自動運転システムの作動状況や運転者の状態を記録することが、事故発生時の原因追求や責任の明確化、不具合の発見などに役立つ。政府は4月にまとめた「自動運転制度整備大綱」で、高速道路上でシステムが運転するレベル3以上の車両を対象に、EDRの装着や事故時の記録提出を義務付ける方針を表明済み。国交省による「自動運転等先進技術に係る制度整備小委員会」で具体的な基準作りを進めている。

同小委では、現在のEDRでは記録対象としていない映像データを「活用することが望ましい」としているものの、プライバシー保護の観点から慎重論もある。このため国交省は、自動車メーカーや損害保険会社、警察庁や法務省などとも協議し、EDRの技術要件をまとめる考えだ。

日刊自動車新聞11月13日掲載

カテゴリー 会議・審議会・委員会
主催者

国土交通省

対象者 自動車業界