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自動車産業インフォメーション

2026年10月23日

自動車流通業界にも広がる「PHP問題」、予防措置で一部サイト利用不可に リスク対応見直す契機にも

ウェブサイトの構築に広く使われているプログラミング言語「PHP」に重大な脆弱(ぜいじゃく)性が見つかった対応で、自動車流通業界でもサービスを止める動きが相次いでいる。自動車リースや輸入車販売、損害保険会社などが、試乗予約や契約者向けサービスなどを予防的に停止した。自動車の保有関係手続きのワンストップサービス(OSS)でも納付手続きの一部が行えなくなっており、影響は業界の幅広い分野に及んでいる。

今回の問題は、条件がそろうと外部から認証なしでサーバー上のプログラムを動かせるもの。PHP側は日本時間の21日夜に修正版を公開した。PHPは世界のウェブサイトの約7割で使われており、国内外の企業や政府機関などが対応に追われている。

国内の自動車関連では、中古車事業者などに金融商品を提供しているプレミアグループが21日午後11時ごろから、企業サイトと一部のサービスサイトを一時停止した。企業サイトはすでに再開したが、22日午後6時時点で加盟店の在庫車両掲載などを行う「カープレミアサイト」は止まったままだ。

自動車リースの日本カーソリューションズ(永田勝己社長、東京都千代田区)は、レンタカーサービスと法人向けの日常点検支援サービスを停止した。

輸入車では、フォルクスワーゲングループジャパン(マーティン・ザーゲ社長、愛知県豊橋市)が、試乗予約や見積もり依頼、来場予約、中古車の問い合わせ、リコール検索などを利用できなくした。ヤナセホールディングス(森田考則社長、東京都港区)も22日に自社サイトの緊急メンテナンスに入り、中古車情報などが見られない状態になっている。

損害保険会社では、東京海上日動火災保険がホームページを一時停止した。「影響を確認し、関係者への影響を未然に防止するための予防措置」と説明している。三井住友海上火災保険は、自動車保険の案内動画などに影響が出たとしている。あいおいニッセイ同和損害保険は、法人契約者向けのネットによる事故サポートメニューなどを停止した。損害保険ジャパンは火災保険や傷害保険のネット経由の事故連絡を停止したが、自動車保険の事故受け付けなどには影響がなかった。

国土交通省では、OSSの税や手数料を納付する際の金融機関選択で使っているサービスの緊急メンテナンスに入った。メンテナンスが終わるまでATMや個別のインターネットバンキングで納付するよう案内している。

各社はウェブサイトが表示できなくなるなど、一部の業務に支障が出ているものの、現時点で不正アクセスによる情報流出は確認されていないもよう。ただ、ここ最近、業務委託先やクラウドサービス事業者が受けたサイバー攻撃で、被害が広がる例も目立つ。自社のシステムだけではなく、外部サービスを経由したリスクが浮き彫りになった形だ。サイバー攻撃を回避することは難しく、改めて有事の際の対応などBCP(事業継続計画)の見直しが課題になりそうだ。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞10月23日掲載