2026年10月15日
〈キーパーソンに聞く〉国交省 新任幹部 輸送効率化決意新た
2030年度までの新たな「総合物流施策大綱」がスタートした。手をこまねいていれば30年度に平均で約7%、最大で約25%の輸送力不足が生じる可能性がある。9月に国土交通相に就いた同省出身の井林辰憲氏をはじめとする新任幹部は本紙に対し、輸送の効率化や新技術普及などへの決意を語った。
大綱の検討会では「2024年問題」に向けた官民の取り組みなどにより「トラック輸送の需給ギャップを一定程度、克服できた」と評価した。一方、足元の経済動向や物流需要の変化を織り込んだ再検証によると、この先、施策を講じなかった場合の30年度の輸送力不足は平均約7%、最大では約25%(1.7億~7.2億トン)になることも判明した。
国交省出身で自由民主党の物流調査会長も務めた井林国交相は、就任インタビューでこうした数字を紹介しつつ「人の流れ、モノの流れがあり、お金が集まるところが古来から繁栄する。そうした地域が全国津々浦々にあるようにするのが私の願いであり、国交省の使命だ」と語った。その上で予算について「総合物流施策大綱の初年度にふさわしい要求をしており、しっかり形にしていきたい」とした。
レベル4(条件付き完全自動運転)の自動運転トラックや「自動物流道路」などのプロジェクトも進む。物流・自動車局長に就いた舟本浩氏は特に力を入れたい取り組みに「自動運転」を挙げた。「技術が相当な勢いで進歩しており、今まで解決できなかった社会問題を解決できる可能性も大きい」と期待する。同局担当の審議官に就いた奈良和美氏は「貨物は旅客と違って乗り降りできないため、拠点を置いて幹線輸送中心にやっていくことになる。どういう形態で支援すればいいか、実証を通じ検討していく」と説明した。同局の物流政策課長に就いた正岡孝氏も「ダブル連結トラックや自動運転を含めた輸送モードの転換などを促進する」と述べた。
一方、人工知能(AI)の急速な進化にセキュリティーが追いつかない懸念について、舟本物流・自動車局長は「AIを使わないということはあり得ない。セキュリティーの管理をしっかり行いつつ、どう使っていくのかが課題だ」と話した。
商慣行や取引の見直し、労働環境の改善、物流人材の確保といったソフト対策も重要だ。現在、トラック適正化2法に基づき、運賃が適正原価を下回らないようにする「適正原価制度」の導入が省内で検討されている。奈良審議官は「ドライバーの処遇改善につながるような制度設計にしていきたい」と語った。
外国人材の受け入れについて、物流・倉庫分野では現在「育成就労」と「特定技能1号」枠での受け入れが可能だ。舟本物流・自動車局長は「1号だと5年までなので、制限のない2号を希望する事業者もいる」とし、業界ニーズも踏まえて人材確保策を見直していく考えを示した。
(堀 友香)
| 対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞10月15日掲載















