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2026年10月8日

〈インタビュー〉経産省、三浦章豪製造産業局長 税制は保有時課税の在り方が論点に CEV補助金切れ目なく支援

三浦章豪(みうら・たかとし)氏

中東情勢をはじめとする地政学リスクの高まりや各国の通商政策の変化、中国の電気自動車(EV)メーカーの台頭など、自動車産業を取り巻く状況は先読みの難しい状況が続く。日本の自動車産業の発展を支えるにはどのような施策が必要か。8月に経済産業省の製造産業局長に就いた三浦章豪氏に聞いた。

 

―2027年度概算要求の重点政策は

「重要鉱物を特定国に頼らず確保する必要がある。(鉱山開発や製錬事業など)上流開発の支援を通じ、強靭(きょうじん)なサプライチェーンを実現することが課題であり、志を同じくする国と必要な資源を確保していく。また、ホルムズ海峡に依存せず調達できる原油やナフサ(粗製ガソリン)の量を増やすため、調達先の多角化への支援を中心とした法案を臨時国会に提出する。いざという時に急激な価格変動や物資不足が起こらないようにすることが重要だ」

 

―自動車税制改正について今年のポイントは

「昨年末の議論で環境性能割の廃止が実現した。今年は保有時の課税のあり方が論点になる。税制改正大綱では、EVへの課税強化について今年結論を出すことになっている。足元では国内のEV販売台数が伸びてきており、課税の強化については足元のマーケットの状況を見ながら考えていく必要がある。経産省としては重量および環境性能に応じた公平・中立・簡素な制度を要望しており、年末にかけてしっかり議論したい」

 

―世界の自動車市場をどうみるか

「中国のようにEVが急激に伸びている市場もあれば、米国のようにハイブリッド車(HV)の販売が伸びている市場もある。米国の関税措置や中東情勢などの不透明な状況が引き続き自動車産業に影響を与える可能性もある。そのためEVやHV、燃料電池車(FCV)など複数の選択肢を追求し、国際的な競争力を維持・強化することが世界で戦うために重要な要素となる。多様でなおかつ変化する市場の特性にしっかり対応できる体制をつくることが重要だ」

 

―中国のEVメーカーがシェアを伸ばしている

「中国系の完成車メーカーとの競争が激化している。多様な市場の特性はありつつ、トータルで見ると中国を含め各地でEVの需要が伸びていくだろう。政府として、国内のEVの導入補助金や充電設備の整備、蓄電池の開発投資に対する支援などを通じ、EVでも日本の自動車産業の競争力を強化し、販売台数の拡大につなげていく」

 

―クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)の「空白期間」が懸念されている

「切れ目なく支援できるように対応したい。途中で(補助が)切れると、駆け込み需要が出るなど、市場をゆがめることになる。まだ予算要求中なので、制度設計をどうしていくのかはこれからになる。そういう意味では決意表明になるが、切れ目なく支援するということをきちんと考えていく」

 

―自動運転やソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)では米国や中国が先行する

「ソフトウエア系の技術については、とにかく早期に開発し市場に投入することが重要になってくる。官民で一体となり技術開発への支援をしっかりやっていきたい。日本の強みであるHVで稼ぎながら、(その原資で)EVや自動運転の競争力を強化していく。マルチパスウェイでバランスのとれた対応を進めることで、日本の自動車産業の世界での競争力をしっかり拡大したい」

 

〈プロフィル〉みうら・たかとし 東京大学法学部卒業後、1992年通商産業省(現・経産省)入省。2017年経済産業政策局産業再生課長、23年近畿経済産業局長、日本国際博覧会協会総合戦略室長、26年8月から現職。1969年8月生まれ、57歳。本籍地は東京都。

(堀 友香)

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞10月8日掲載