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2026年10月1日

〈新大臣インタビュー〉笹川博義 環境大臣 2035年の100%電動車が「日本の自動車産業の競争力に」

初入閣だが、2015年の第3次安倍内閣で環境大臣政務官、20年の菅内閣で環境副大臣を務めるなど、環境政策に明るい。地元の群馬3区には、スバルの主力生産拠点の群馬製作所や、多くの自動車部品メーカーの工場があり、自動車関連産業政策にも高い関心を持つ。電気自動車(EV)市場の先行きが不透明で、燃費規制を緩和する動きが広がる中、日本政府が掲げた35年の新車販売100%を電動車とする目標が「日本の自動車産業の競争力につながる」と言い切る。

 

―欧州でEV販売が大幅に増加しているのに対し、日本市場は依然としてEVの販売比率が低い

「欧州市場でEV販売が増加しているが、その要因をどう分析するかだ。(EV市場全体が低迷している)米国市場はEVに対して地域によって温度差がある。そうした中、日本の電動車に対する評価は高い。ASEAN(東南アジア諸国連合)市場でもEVの販売比率が上がっているが、どういう背景があるかは分析するべきだ」

「自動車は総合力が試される産業で、1、2年の動向で評価できるものではない。日本の製品に対する信頼性は全く揺らいでいないし、日本の自動車メーカーは将来を見据えて製品開発している。(地元の)スバルもEVを生産するラインを整備している。もちろんスピード感は大切だが、日本の自動車メーカーはそれに対応していく力がある」

 

―EV比率が低い市場の自動車メーカーは、EVで出遅れることが懸念される

「例えばドイツでEVが増えているのは、ウクライナとロシアの戦争に伴うエネルギーコストの問題が影響している。ただ、EVシフトが進んだ場合、ドイツの自動車産業は雇用を維持できるのか、という問題も出てくる。一部でも内燃機関を搭載する車とEVとでは雇用人数が大きく異なる。EVシフトで産業構造が変わってきた時の受け皿が必要になる。それらを総合的に見た上で判断しないといけない。日本は35年に新車を100%電動車にするという大きな目標を掲げているので、それに向けて進むだけだ」

 

―日本市場でEV比率を引き上げるために必要なことは

「日本でEV販売を増やすには、EVのラインアップを増やすことだ。日本メーカーは(消費者から)圧倒的な評価を受けており、これをベースにラインアップを増やせば購入しやすくなり、増えていく」

 

―バイオ燃料などの次世代燃料に関する政策は

「次世代燃料には注目している。各市場に適した次世代燃料が必要になってくる。燃料が技術革新で進化していることは評価しているし、今後も技術革新を総合的に進めてもらいたい」

 

―資源循環の政策は

「今回の中東情勢(の緊迫化)に伴って、ナフサの調達やプラスチック製品が国内だけでなくアジアでも生産され、日本に流通していることなどについて国民の理解が広がったことは、資源循環を進める上で追い風となる。再生プラスチック材料は量と質、そして価格を安定させることが普及のカギを握る。特に価格を安定させることが普及に向けた課題となる」

 

―自動車への再生材の活用が進んでいない

「EUでは新車への再生材の使用が義務付けられるので、自動車メーカーはそれに対応しなければいけない。その方向性は間違っていない。これによって再生材は安定したコストと量、質、コストが確保され、国際的にも流通するようになる」

 

〈プロフィル〉ささがわ・ひろよし 1985年11月富士振興取締役、86年12月関東開発取締役、89年4月衆議院議員秘書、91年12月日本トーター監査役、92年11月太陽印刷工業取締役、93年11月ヤマト発動機取締役、2001年11月ヤマト発動機専務取締役、03年4月トーターエンジニアリング取締役、05年12月ヤマト発動機代表取締役に就任。07年4月群馬県議会議員、12年12月衆議院議員、17年8月環境大臣政務官、20年9月環境副大臣、22年10月衆議院農林水産委員長、24年11月農林水産副大臣を経て、26年9月環境・原子力防災担当大臣。1966年8月生まれ、60歳。東京都出身。

 

(編集委員・野元 政宏)

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞10月1日掲載