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自動車産業インフォメーション

2026年8月6日

自動車メーカー各社、熊本地震の業績影響見通せず 好調な国内新車市場に冷や水の可能性

2026年熊本地震で一部自動車メーカーの車両生産に影響が及んでいる問題で、各社が業績影響を読み切れずにいる。8月5日までに発表した自動車メーカーの27年3月期業績見通しでは、歴史的な円安を背景にトヨタ自動車やホンダが上方修正したが、両社は国内での稼働停止の影響を織り込まなかった。ホンダは部品供給の寸断により車両生産の停止が広がっており、減産影響が精査できない状況だ。各社の新型車投入効果もあり国内の新車市場は前年より拡大傾向にあるが、新車供給が滞れば好調な需要に水を差しかねない。

「どれくらいの台数影響になるか、まだ分からないというのが正直なところだ」―。ホンダの川口正雄最高財務責任者(CFO)は、5日にオンラインで開いた決算会見でこう打ち明けた。

ホンダは自動車メーカーで最も震源地に近い場所に工場を構えている。二輪車を生産する熊本製作所(熊本県大津町)が、スプリンクラーの誤作動で浸水被害にあった。震災が発生した7月28日夕方から稼働を停止していたが、8月5日から一部工程で稼働を再開した。

四輪車では、アステモ(井上勝史社長CEO、東京都千代田区)の子会社で自動車などの焼結部品を手掛けるアステモ宇城(田本高弘社長、熊本県宇城市)が被災した影響で部品供給が滞り、埼玉製作所(埼玉県寄居町・小川町)と、鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)、生産子会社のホンダオートボディー(細川竜一社長、同四日市市)の生産を停止している。19日までの稼働停止を計画しているが、稼働再開の時期については「今後の状況を見て適宜判断する」(山口CFO)としている。

九州のサプライチェーン(供給網)を巡っては、アイシン子会社のアイシン九州(遠藤眞社長、熊本市南区)が被災し、トヨタや日産自動車、ダイハツ工業、三菱自動車の工場に影響が及んだ。アイシン九州は2日に一部部品で生産を再開し、互換部品の活用や海外拠点も含めた他工場での代替生産も進める方針だ。これにより、自動車メーカー各社は部品調達にめどをつけ、順次生産を再開している。

日産は地震の影響台数が5000台程度となる見通しを示す。イヴァン・エスピノーサ社長は「スケジュールを調整していてどれくらい早く挽回できるか検討している」と話すが、具体的な挽回生産の時期や規模は明らかにしていない。

国内の26年4~6月の新車販売台数(登録車と軽自動車の合計)は、前年同期比7.0%増の113万台と伸長した。「国内回帰」を打ち出すホンダは5四半期ぶり、日産は7四半期ぶりにプラスに転じている。ホンダの山口CFOは地震の具体的な影響台数について言及は避けたものの「何か大きく揺るがすようなことにはならないと思う」と話す。販売好調の勢いを維持するには、台数影響を精査し挽回生産への道筋を早期に示す必要がありそうだ。

(編集委員・福井 友則)

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞8月6日掲載