2026年7月29日
熊本で震度7、ホンダ・トヨタ・ダイハツは稼働停止 アステモは従業員負傷 販売店舗では建屋の損傷相次ぐ
7月28日午後に発生した熊本県を震源とする最大震度7の地震で、自動車業界にも被害が出ている。ホンダの熊本製作所(熊本県大津町)やトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)、ダイハツ九州(大分県中津市)で稼働を停止したほか、アステモ宇城(田本高弘社長、熊本県宇城市)では従業員がけがをし、設備にも被害が出ているもよう。熊本県内の流通事業者でも建屋が損傷する被害が確認された。地震により九州地域では橋梁(きょうりょう)が損傷するなど交通インフラに被害が発生している。サプライチェーン(供給網)への影響を含め、各社は情報収集を急いでいる。
震源にほど近いホンダの熊本製作所では、人的被害や目立った設備被害は確認されていないという。地震発生時に作動したスプリンクラーの影響で漏水や浸水が一部で発生。この影響を受けて7月28日の夕~夜の2勤と夜~朝の3勤の稼働を停止、29日の朝~夕の1勤の稼働停止も決定した。
ダイハツ工業は、生産子会社のダイハツ九州の大分工場(大分県中津市)と、エンジンを生産する久留米工場(福岡県久留米市)の28日夕~夜の稼働を止めた。設備などの状況を確認した後、29日朝からの稼働を判断するという。
トヨタ自動車は、生産子会社のトヨタ自動車九州の宮田工場と苅田工場(福岡県苅田町)、小倉工場(北九州市小倉南区)で28日夕方からの2直の稼働を停止した。29日朝から稼働は再開する。28日午後7時時点で従業員や設備の被害報告はないという。安全確認や物流、仕入れ先の状況を考慮し、稼働停止を判断したという。トヨタ自動車九州は、主にレクサス車を生産している。
マツダは、本社工場(広島県府中町)と防府工場(山口県防府市)の生産ラインを地震発生から30分程度、停止させた。両工場とも安全確認後に操業を再開しており、28日の2直(夜勤)も通常通り稼働した。
日産自動車は、日産自動車九州(福岡県苅田町)では人的被害はなく、通常稼働している。販売会社その他の影響については確認中としている。
流通関連では、建屋などの被害が発生している。自動車関係団体が入居している熊本県自動車会館(熊本市東区)では28日夕方時点で、コピー機が倒れるといった被害があったものの、建物の破損や人的被害は無かったもよう。一部の団体では、職員を早退させる対応を取ったという。
熊本県内に10店舗を展開しているオートバックスセブンでは28日午後7時時点で、人的被害がなかったことを確認した。ただ、熊本宇土(宇土市)と熊本八代店(八代市)では停電が発生。商品棚なども倒れたとみられ、両店では営業を休止した。加えて、熊本浜線(熊本市南区)では入り口周辺の小窓が破損したという。県外のスーパーオートバックス宮崎南店(宮崎市)やスーパーオートバックス大分21(大分市)でも商品の一部が落下したもよう。
中古車販売のネクステージによると、28日午後7時時点で熊本東店(熊本市東区)とSUVランド熊本(同南区)で建屋の天井などに亀裂を確認。従業員や車両には被害が無かったという。
損害保険各社も現地の状況把握と対策に努めている。東京海上日動火災保険、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険、損害保険ジャパンはいずれも28日夕、本社に災害対策本部を設置。被災状況の情報収集に当たっている。現地でも、損害調査などに当たる拠点を設営する見通しだ。
サプライヤー関連でも被害が確認された。アステモ(井上勝史社長CEO、東京都千代田区)は、保安部品などを手掛けるアステモ宇城で従業員3人がけがをし、病院に搬送された。けがの程度はわかっていない。設備にも被害が出ているもようで、操業を停止している。復旧には時間がかかるとみている。
テイ・エス テックでは、二輪車用シートなどを手掛ける九州テイ・エス(川田良浩社長、熊本県菊池市)について「被害の有無などを情報収集中」としている。
NOK傘下で、四輪車・二輪車向けOリング製造などを手掛けるNOK九州(今村裕之社長、同県阿蘇市)は、同県内4カ所を含め九州地区に複数拠点を構える。NOKによると、被災報告は受けておらず、影響を精査するとしている。
アーレスティは、ダイカスト部品などを生産するアーレスティ熊本(石田学代表、同県宇城市)の状況について「現在情報収集中で現段階で公表できるものはない」としている。
堀場製作所は、計測装置などを手掛ける堀場エステック阿蘇工場(同県西原村)について、人的・物的被害はないことを確認した。
また、ミネベアミツミグループで、四輪車・二輪車などの部品製造・販売を手掛けるミネベアアクセスソリューションズ(旧ホンダロック、仁井名慶也社長、宮崎市)では、人的・物的な被害は確認していない。
京セラは自動車部品などを手掛ける鹿児島霧島工場(鹿児島県霧島市)、ファインセラミック製品などを手掛ける鹿児島川内工場(同県薩摩川内市)ともに、人的・物的被害の有無を確認中とする。
資源エネルギー庁によると、石油備蓄基地への被害情報は現時点で入っておらず、情報収集を続けているという。
国家石油備蓄基地は、鹿児島県や福岡県、長崎県など全国10カ所にある。ほかにも鹿児島市のエネオス喜入基地などに民間からタンクを借り上げ国家備蓄原油をためている場所がある。
28日午後4時27分ごろ、熊本県熊本地方を震源とする地震が発生し、同県宇城市と氷川町で震度7の揺れを観測した。気象庁によると、震源の深さは約10キロメートル。地震の規模(マグニチュード)は7.1と推定される。
| 対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞7月28日掲載











