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2026年5月28日

経産省、2026年夏に「成長投資ガイダンス」公表 投資促し中長期的な成長と賃上げへ

経済産業省は、中長期的な企業価値向上の指針となる「成長投資ガイダンス」を今夏に公表する。背景には、日本企業の株価が上昇し、資本効率の改善や株主還元が進む一方、成果が賃上げや成長投資に十分結び付いていないとの問題意識がある。新たに価値創造(EP)という指標を重視することにより、設備投資や人的投資による中長期的な成長を目指す。

5月27日、有識者による産業構造審議会の小委員会でガイダンス案を示し、全体の方向性について賛同を得た。今後はパブリックコメントを経て正式に発表する。金融庁と東京証券取引所が改訂を進めるコーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)と同時期になる予定だ。

企業の株価は10年間で約3倍まで上昇し、上場企業の現預金保有は118兆円を超える水準にある一方、売上高に占める設備投資や研究開発費の比率は2016年比で横ばいとなっている。近年のコーポレートガバナンス改革で重視されているROE(自己資本利益率)では、成長投資を行わず自社株買いなどを増やすことで短期的に指標を改善することも可能だ。

経産省は「短期的に資本効率や株主還元の水準を高めることではなく、企業が生み出す経済的な付加価値の総量を中長期的な視点から持続的に拡大すること」が重要とし、ROIC(投下資本利益率)からWACC(加重平均資本コスト)を引いた値に投下資本を掛け合わせた「EP」の拡大を重視する方向へ舵を切る。

EPは、将来の成長投資や賃上げを含めた人的資本投資を含むステークホルダーへの再配分が可能なものと位置付けられる。業種別EPでは、日本の自動車業界は0.9%と、中ほどに位置する。米国は同5.6%、欧州は0.4%だ。経産省の担当者は「投資規模が相対的に大きい自動車業界で成長投資が進むと、日本全体の改善につながる」と説明する。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞5月28日掲載