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2026年4月15日

日産の長期ビジョン、電動化目標は示さずパワトレを柔軟展開 ホンダとの協業は北米軸に検討 エスピノーサ社長が説明

日産自動車のイヴァン・エスピノーサ社長は4月14日、「長期ビジョン」の公表後に報道陣の取材に応じた。パワートレイン戦略については電気自動車(EV)が減速する中、電動化ありきではなく市場動向に応じて柔軟に対応していく姿勢を示した。ホンダとは北米を軸に協業機会を引き続き模索しており、パワートレインは日産が自前で開発していく方針だ。足元で緊迫化するイラン情勢では、ホルムズ海峡を迂回する輸出ルートの確保に動いている。

日産は今回公表した長期ビジョンを、2021年に公表した「ニッサン・アンビション2030」の改訂と位置づけ、現経営陣が考える戦略の旗印として公表した。財務目標などは今年後半の発表を予定する。

アンビション2030では、30年までに19車種のEVを投入し、世界販売の55%を電動車にする目標を掲げていた。今回の長期ビジョンでは、全固体電池の開発や自動運転モビリティサービスの事業化などは継続するものの、電動化目標は設定していない。EVは米国市場での減速が顕著で、エスピノーサ社長は「(電動化比率の)数値を示すのは極めて難しい。市場の求めに応じて柔軟性を持って展開していく」と説明した。内燃機関にも投資を続け、米国ではV型6気筒エンジンをベースとするハイブリッド車を投入する計画があることも公表した。

日本と米国、中国を重要市場と位置づけて販売拡大を図る。鍵となるのが「ファミリー開発」で、小型車やラダーフレーム車など、セグメントごとに車型のバリエーションを増やして多様なニーズに応える。将来的には3つのファミリーを形成し、世界販売の8割を目指す。トヨタ自動車などはすでに車両プラットフォームを共通化して「群戦略」を展開しているが、エスピノーサ社長は「シャシーやパワートレイン、E/E(電気/電子)アーキテクチャーや外装部品も共通化している。日産は2~3歩先を行っている」と、より踏み込んだ共通化により収益性を高めていく考えだ。

他社との協業機会も引き続き模索していく。ホンダとの協業は、ホンダの経営状態悪化により影響が危惧されていたものの、「米国市場での協業を検討している」(エスピノーサ社長)と従来の説明スタンスを維持した。一方、パワートレインの提供を受けることについては否定した。

中東情勢悪化への対応では、中東で人気の「パトロール」を日産車体九州(福岡県苅田町)から輸出しており、これまでのホルムズ海峡経由から、アラブ首長国連邦やサウジアラビアに入港し、一部では陸上輸送も使うルートの確保に動いていることを明らかにした。ただ、ギヨーム・カルティエCPO(チーフパフォーマンスオフィサー)は「短期的な対応で、(中東の需要に応えて台数を増やす)長期的な戦略は変えていない」と話した。

長期ビジョンを発表するエスピノーサ社長

対象者 一般,自動車業界

日刊自動車新聞 4月15日掲載