公正取引委員会(公取委)は、サプライチェーン(供給網)全体での取引適正化の定着に向け、優先的地位の濫用に対する規制を強化する。価格協議で独占禁止法(独禁法)の違反行為に該当する事例を明確化するほか、業務委託時などの費用の支払い期日を、製品などを受け取ってから原則60日以内にする。着荷主が運送事業者に対して無償で荷待ちや荷役を提供させる行為も禁止する。2027年春をめどに独禁法などの法令に反映する方針だ。
公取委と中小企業庁が3月10日に開いた企業取引研究会で方針を示した。同会では、中小受託取引適正化法(取適法)の対象外取引において「実効的な価格協議が行えていないことが価格転嫁が進まない一因」と指摘した。製造業では大企業同士の取引や、中小・小規模事業者同士の取引が取適法の対象外となっている。
独禁法の判断基準である「優越ガイドライン」の改定では、発注者における価格協議や情報提供の拒否、取引の打ち切り示唆など、違反行為となる想定例を追加する。また、発注者が受注者と再委託先との間で価格転嫁が適切に行われているかを確認する行為が違反行為に該当するのではないか、との懸念の声が上がっている現状を踏まえ、直ちに問題になるものではない旨も追記する。
また、取適法対象外の事業者間で支払いサイト(料金が支払われるまでの期間)が長期化している傾向を踏まえ、製造委託などの取引を対象に、原則として60日以内に支払いを行うよう独禁法上の告示を新たに行う。現在は、一次委託事業者と二次委託事業者の取引のみ取適法の対象となっている。
着荷主が運送事業者に対し、荷待ちや積み下ろし作業を無償で強いることも禁止する。現在は、発荷主と元請運送事業者のみ対象となっている。着荷主側への規制を強化することで、物流網全体の適正取引につなげる。
26年6月ごろに新たな優越ガイドラインを公表し、27年春ごろをめどに告示する。












