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2026年2月20日

経産省、中小サプライヤー向け支援イベント開催 自社の強み生かして競争力強化

経済産業省は2月19日、自動車部品サプライヤーの競争力強化に向けた事例を紹介し、企業間の交流を促すイベントを東京都内で開いた。電気自働車(EV)シフトや中国新興メーカーの急成長、米国関税など、逆風にさらされる中小サプライヤーを支援する「ミカタプロジェクト」の一環として実施した。自社の強みを再認識してもらい、自動車部品で培ったノウハウから新製品や技術の確立、業態転換につなげてもらう狙いがある。


中小サプライヤーが競争力強化に向けた事例を紹介した


企業間のマッチングイベントも実施された


別会場では中国製EVの分解展示も(ジーカー「007」)

「社長に就任したばかりの時、主要取引先から主力部品がなくなると聞き、相談した。(支援員の)伴奏で、強みと弱みを明確にしてもらえた。お客さんの要求に真摯(しんし)に向き合うことが強みだが、主体的に動くことが苦手だった」。ニッシンテクノス(愛知県蟹江町)の丹羽陽社長は、ミカタプロジェクトによる支援の意義を振り返る。同日に開かれた「モビリティ・イノベーション・フォーラム」では、変化への対応を迫られた部品メーカーの胸の内と、環境変化の突破口とする取り組みが紹介された。

同プロジェクトは2022年度に立ち上げ、中小企業を支援する各都道府県の公益財団法人が窓口となって実施している。産業動向のレクチャーから、自動車メーカーやティア1(一次下請け)サプライヤーOBらによる支援、補助金の交付まで実施している。相談や専門家の派遣は延べ6000件近くに達しているという。

イベントでは競争力強化につなげた中小企業30社を表彰し、特に優れた5社は事例を紹介した。

エンジンの燃料配管などを手掛ける湯原製作所(湯原正籍社長、栃木県さくら市)は、EV向けに冷却デバイスを開発し、CAE(コンピューター支援エンジニアリング)もプロジェクトをきっかけに活用を始めた。湯原社長は「EVの知見がなかったが、自社の要素技術の生かす道筋を立てられた。航空宇宙分野への参入も目指している」と話す。

マツダのティア1サプライヤーのデルタ工業(藤田健社長、広島県府中町)も、軽量化対応の遅れでドアの開閉部品を失注し、プロジェクトへの支援を仰いだ。地元研究機関の支援もあり樹脂製部品を早期に開発できたといい、土居利隆取締役は「全社一丸となり、プロジェクトで得られるものは多かった」とする。

同省自動車課の伊藤政道課長は、「プロジェクトを選択肢の一つとして、業界を取り巻く環境変化に対して前向きな取り組みを進めてほしい」と話した。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞2月20日掲載