2026年2月12日
経産省、自動車製造でフィジカルAIデータの基盤整備へ メーカー各社に参画呼び掛けロボットデータ収集
経済産業省は、人工知能(AI)とロボットを組み合わせた「フィジカルAI」分野で、自動車の製造現場に必要なロボットの動作を収集したデータ基盤づくりに乗り出す。2026年度にも自動車メーカーや部品メーカーに参画を呼び掛け、官民連携でオープンなデータを集める枠組みをつくる。米国や中国などで開発競争が激化するヒューマノイド(人型)ロボットだけでなく、日本が強みとする産業用ロボットにもAIを導入して使い勝手を高めていく。自動車産業の生産性向上や作業環境を改善するとともに、国内製造業の競争力を高めていく狙いだ。
このほど、「AIロボティクス戦略検討会議」の初回会合を開き、産業別のオープンなデータ基盤の整備について話し合った。「チャットGPT」のような生成AIがインターネット上から最適な答えを見つけてくるように、フィジカルAIにも、認知や判断、動作の元となる膨大なデータが必要となる。
そこで、各社が連携してロボットの動きのデータを収集し、データ基盤をつくる枠組みを検討する。「どういう部品をどこで造る」といった競争領域に当たるデータは収集せず、協調領域のデータを集める。個社ごとにデータを集めるより短期間で行えるほか、人材やノウハウが不足しがちな中堅・中小企業もデータ基盤を活用してロボットを導入できるなど、業界全体の生産性向上を見込む。
AIで汎用的なロボットを動かすためのデータ収集には、米中のテック企業も力を入れており、日本では、AIロボット協会(AIRoA、アイロア、尾形哲也理事長)が中心となって取り組んでいる。例えば「りんごを持つ」といった基本的な動きは汎用的なロボットで可能になる。
一方で自動車工場では、さまざまな形や大きさの部品を組み付けたり、車種に合わせて設備や設定を切り替えるなど、複雑かつ高度な動きが求められる。同時並行でこうした産業特化型のデータも集め、開発期間を短縮する。将来的には、両方のデータを合体させて使うことも想定する。
米中の新興企業では人型ロボットの開発が盛んだ。中国などが大量生産する「QDDモーター」は、人間のような柔軟な動きができるのが特徴だが、力や精度が不足するなどの課題もある。一方、日本のロボットメーカーは「サーボモーター」で動く高精度な産業用ロボットを得意としており、ギア比の調整により、小型ながら高出力のロボット設計も可能だ。
経産省は、昨今の潮流を踏まえつつ、日本の強みも生かした“両面作戦”で成長戦略を描く。
| 対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞2月12日掲載












