2026年2月3日
軽商用EV、市場のポテンシャルは? ダイハツは個人事業主にターゲット 長期リースで需要開拓
軽商用車で、電気自動車(EV)の選択肢が広がっている。ダイハツ工業とトヨタ自動車は2月2日、スズキを交えた3社で共同開発した軽商用EVの販売を開始した。スズキも2025年度内に発売する計画。三菱自動車とホンダ、日産自動車はすでに取り扱っており、主要メーカーの軽EVが出そろうことになる。軽商用車は一般的にEVと親和性が高いと言われ、市場の拡大が見込める。一方、「大口法人客の導入意欲が落ち着いてきている」(ホンダ系販売店)との声もあり、需要喚起も課題になりそうだ。
■EV比率は5%に上る
一時に比べて足踏みしている乗用EV市場に比べ、軽商用EVは着実に実績を上げている。選択肢が三菱自の「ミニキャブEV」のみだった23年は2772台にとどまったが、ホンダや日産が参入した24年は約7000台に拡大。25年は約9000台に市場が拡大した。母数を軽キャブオーバーバンに限定すれば、EV比率は5%に迫る。
軽商用車は、EVと相性が良い。軽の社用車や公用車は決まったエリアを走行することが多く、EVの弱点である航続距離や充電インフラが導入の障壁になりにくいためだ。特に、割高な車両価格を吸収しやすい大手事業者は、環境対策を重視している姿勢を示しやすいEVの導入意欲が高い傾向がある。ダイハツの調べでも、大手の約4割が「3年以内に導入を検討している」という。
ただ、日本郵便など、管理台数が多い大口の法人客には、先行するメーカーがすでに一定のEVを納車済みだ。ダイハツの福田昭夫営業CS本部長も「(認証不正の影響で発売が遅れた)2年間で市場の環境は変わった」とし、「大手の法人客だけでは台数を伸ばせない」と固く見積もる。大口客で需要が一巡したことが、同社が月販計画を300台と少なく設定した理由の一つでもある。
個人事業主向けの提案を強化
■8年リースを推奨
そこで、ダイハツは他社があまり手を付けてこなかった中小企業や個人事業主の需要開拓に重点を置く。軽商用バンで4割のシェアがあるダイハツは、ホンダや三菱自と比べて個人事業主の保有客も多い。地方の個人事業主との関係が深い業販店の販売力も生かしやすいため、発売までに業販店向けの商品研修や整備対応も積極的に進めてきたという。
ただ、中小になるほど、EVの価格の高さが導入の障壁となる。このため、ダイハツは長期リースの提案でカバーする考えだ。一般的に法人リースの契約期間は3年、5年が主流だが、新型車では8年契約を軸にした営業を系列販社に推奨する。月々の支払額を抑えられる金融商品を活用することで、経営体力に限りがある事業者でも導入しやすい環境を整える方針だ。
日刊自動車新聞2月3日掲載












