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2026年1月30日

国交省、「事業用自動車総合安全プラン2030」案を公表 ドライバー不足へ若者や外国人 キックボードやモペットにも対応

国土交通省は、トラックやバス、タクシーの事故削減に向けた方針や施策を示す「事業用自動車総合安全プラン2030」案を公表した。今後もドライバー不足が深刻化していくことを前提に、運転手の属性やモビリティの広がりへの対応、次世代技術の普及促進などを重点施策に据えた。新たな5カ年計画として、今年4月から開始する方針だ。

同プランは、事業用自動車(緑ナンバー)の事故削減目標や発生件数の多い事故への対処方針、具体策などを示すもの。5年ごとに改訂している。

26年度から5年間の指標となる次期プランでは、「乗合バスの車内事故件数85件以下」「タクシーの出会い頭衝突事故件数950件以下」などの目標は維持する。新たに軽貨物の個別目標を項目として立ち上げ、「追突事故件数970件以下」を掲げた。軽自動車を除くトラックでは「追突事故件数2380件以下」を目指す。

重点施策としては6点を挙げた。

「(1)自動車運送に係る全ての者における行動変容の推進」では、電動キックボードやモペットなど新しいモビリティの利用拡大を踏まえた行動変容を促していく。また、荷主や公共交通機関の乗務員、利用者に対しても、事故につながる行動を周知し、意識改革に取り組む。

「(2)運行管理未実施、飲酒運転等悪質な法令違反の根絶」では、ドライバーの遠隔点呼といったデジタル技術を活用した運行管理手法の導入を促進する。また、事故件数が増加傾向にある貨物軽事業者に対する安全対策も強化していく。

「(3)ICT、自動運転技術等新技術の開発・普及推進」では、リアルタイムで運転者の挙動を把握するなど、運行管理技術の高度化などに取り組む。また、ペダル踏み間違い時加速抑制装置やドライバー異常時対応システムなどを搭載した車両の普及も必要とした。同時に、自動運転トラックなどの安全対策の検討も進めていく。

タクシー事故の発生率(免許証交付数当たり)では、全世代の中で29歳以下が最も多かったほか、日本国籍以外のドライバーの事故件数も年々増加している状況にある。このため「(4)少子高齢社会における事故の防止対策の推進」では、若年層や外国人のドライバーが今後増えていくことを見据え、適切な指導監督や安全対策を徹底する必要があるとした。

「(5)原因分析に基づく事故防止対策の立案と安全体質の継続的強化」では、ドライブレコーダーなどから収集、蓄積したビッグデータを活用し、高度な事故リスクの分析、施策の検討・立案などを検討していく。

「(6)道路交通環境の改善」では、自動車交通を担う幹線道路と、歩行者中心の生活道路の機能分化を進める。また、安全性が担保された歩行空間の整備も強化していく。

来週にもパブリックコメントの募集を始め、その意見を反映した最終案を年度内に決定する。26年度から新プランを開始する。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞1月30日掲載