2026年1月29日
〈トップインタビュー2026〉ジェイテクト、近藤禎人社長 デジタル基盤構築を強化 自動車事業でも展開
ジェイテクトは2025年、企業経営と事業運営の軸となる「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を発表し、グループが持つ技術や知見を一堂にそろえた基盤「コアコンピタンスプラットフォーム(ココプラ)」、ココプラを活用して最適なソリューション(解決方法)を提供するソリューション共創センター(ソリセン)も立ち上げた。付加価値の高いソリューション型ビジネス「ソリューションプロバイダー」への転換を着実に進めている。
―ソリセンとココプラを立ち上げた成果は
「ソリセンは社内から500件以上の問い合わせがあり、部門間の壁を超えて250件以上を解決できた。ココプラで解決した割合も高かった。とはいえ、本質的に解決すべき課題、すなわち我々が今持ってない技術や技能、コアコンピタンスは自社で開発するか、あるいは社外の技術を活用したオープンイノベーションで解決するのか、その道筋も見えてきた」
―社外からの相談状況は
「40社以上の顧客からのべ50件以上の相談があった、今までの自動車関連や軸受け工作機械など狭いドメインにとどまらず、幅広くお声がけいただいている」
―デジタル基盤の構築に注力している
「デジタルものづくりは重要なキーアイテムの1つだ。 会社全体のデジタルプラットフォーム改革を昨年5月に「J-REBORN」として始めた。PLM(製品ライフサイクル管理)などエンジニアリングチェーンは形ができてきた。例えば工作機械設備。昨年はリードタイムを約30%改善できた。今後はグループの工作機械会社も同じプラットフォームで連携できるよう形を変えてことでリードタイムをさらに短縮する。狙うは50%。目途は付きつつある」
―デジタル基盤の構築は他の事業でも進めているのか
「設備と自動車はほぼ並行して進めている。軸受けは少し後ろになる。自動車メーカーとは(車両開発の)早い段階から共創しながらデジタルを使って一緒に議論している。軸受けも含めて確実にPLMを完成させていく」
―デジタルリテラシーを高める活動も注力している
「去年はデジタル祭りを始めた。多くの社員がデジタルを触り、誰かのために、楽にしようという思いで活動を展開している。AIフェスも活況だ。デジタル基盤によって効率を上げ、ロスコストも減らすことで生まれる余力を付加価値創出につなげることができ始めている」
―第二期中計ではグローバル体制の再構築に取り組んでいる
「地域軸ではインドの伸びが大きい。アフリカへの輸出拠点にもなりえるので、デジタルを導入するなど最新の取り組みを進めていく。 中国は厳しい。各拠点の構え方を議論しながらデマンドに合わせて体格を少しコンパクトにする。コンパクトにできれば動きも素早くなる。新しいソリューションを生み出す構えにもなる」
―北米での収益性改善の進捗は
「北米市場にあったオペレーション組織を変えることや、短期、中長期の大きな構え、戦略を練りながらタスクフォースチームによる収益改善を進めている。生産は予定以上に改善している。ただ中長期な課題は残っている。ポテンシャルはあるのでしっかりと進めていく」
―ステアバイワイヤ(SBW)の評価が高い。今後も受注拡大が見込まれる
「ビジネスの柱、すなわち電動パワーステアリングの次の柱として拡大していきたい。SBWはインテリア変革のキーテクノロジーの1つになる。そのため顧客のニーズがインテリア周りも含めた要求に変わると見ている。こうした変化にフレキシブルに対応できる製品設計や生産システムの導入を検討している。車両のシリーズ化、モジュール化を視野に入れた製品設計を取り入れ、同時に生産システムを構築するための開発を始めている」
〈プロフィル〉こんどう・よしひと 1988年3月大阪府立大学機械工学科大学院卒、同年4月トヨタ自動車入社。2016年4月ユニット生産技術部領域長、20年4月モノづくり開発センター長などを経て、24年6月から現職。1963年1月生まれ、愛知県出身。
(編集委員・水町 友洋)
| 対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞1月29日掲載












