2018年2月26日
NEDOと鉄鋼関連5社、高炉のCO2排出30%減にめど 30年にも技術確立目指す
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とJFEスチールなど鉄鋼関連5社は、製鉄段階の二酸化炭素(CO2)排出量を削減する技術を開発するために新日鉄住金の君津製鉄所(千葉県君津市)に共同建設した試験高炉での検証試験を完了し、約30%の排出削減にめどをつけたと発表した。
コークスの一部を水素に代替して鉄鉱石を還元する技術や、高炉ガスからCO2を分離して化学吸収液などに吸着・貯蔵する技術を組み合わせる。今後は商業生産用高炉への適用に向けて数学モデルの精度向上などに取り組み、2030年までの技術確立を目指す。
CO2削減の共同研究は08年に開始した。16年には商業用高炉の数百分の一のサイズ(12立方メートル)の試験高炉を建設、4回の試験操業を行い水素還元に必要な送風操作、コークスの反応操作などを検証した。合わせて、未利用排熱を活用して高炉ガスからCO2を分離する技術を検証した。1トンあたりの分離・回収コストを2千円以下に抑える見通しもついたとしている。
これらによって高炉本体で約10%、高炉ガスで約20%、合計約30%のCO2削減が可能になるという。
18年度以降、5千立方メートル級の商業生産用高炉への技術適用を目指して研究を進める。同技術を採用した高炉の1号機を30年までに建設する計画。既存高炉の建て替えが活発化する50年以降、本格的な普及を見込む。
実証試験には神戸製鋼所、新日鉄住金エンジニアリング、日新製鋼も参加した。
日刊自動車新聞2月26日掲載
カテゴリー | キャンペーン・表彰・記念日 |
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主催者 | 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) |
対象者 | 自動車業界 |