2025年11月27日
〈岐路に立つ自動車税制〉自動車総連、税制抜本見直しへ議員会館で集会
自動車総連(金子晃浩会長)は25日、自動車関係諸税の抜本見直しに向けた集会を参議院議員会館で開いた。国民民主党の玉木雄一郎代表や公明党の斉藤鉄夫代表らが参加した。金子晃浩会長はガソリン・軽油の旧暫定税率(当分の間税率)廃止法案が衆院を通過したことについて「暫定税率が始まり、51年経ってようやく廃止になった。感慨深い」とする一方で「車体課税の抜本見直しが残っている。軽減、簡素化するのがわれわれの一丁目一番地だ」と強調した。玉木代表は「ここからが勝負。数週間がヤマになる」とし、車体課税についても年内決着を目指す考えを示した。
自動車総連が議員会館で集会を開くのは初めて。集会では「9種9兆円」に及ぶ自動車関係税制の簡素化と軽減に向け、3つのステップとして「総額3.2兆円のユーザー負担軽減」「地方税収に影響を与えない税制の確立」「ユーザーの納得感を踏まえた税の使途明確化」を掲げた。
ガソリン減税法案が衆院本会議で可決された。国民民主党の礒﨑哲史参院議員は「まさかこの山が動くとは」と驚きつつ、〝暫定〟が半世紀も続いた理由について「中身が複雑ゆえに、どこが自分たちの負担感につながっているか、どこを直せば負担感が軽減されるのか理解することが難しかったからだ」と見る。昨今のガソリン価格の高騰により「暫定税率というおかしい税金があったことを多くの人が知ることにつながった」と振り返った。
自動車総連としては、旧暫定税率の廃止を突破口に自動車関連諸税の見直しへとつなげていきたい考え。環境性能割の廃止について、金子会長は「トランプ関税によって日本経済は苦しんでいる。そういった時だからこそ、国内基盤を強化することが求められている」と語った。
国の一般会計に貸し出された自動車損害賠償責任(自賠責)保険料のうち、5741億円を自動車安全特別会計に一括返還する方針も決まった。国民民主の濱口誠参院議員は「大変、大きな成果だ」と胸を張った。
玉木代表は「税の三原則である『公正』『中立』『簡素』のすべてに反しているのが自動車関税諸税だ。9種9兆円の自動車関係諸税を今こそ見直すべき時だ」と力を込める。少数与党下で各党が一定の影響力を行使できるようになった今だからこそ「ガソリン暫定税率と軽油暫定税率の廃止が実現し、また自賠責特会の借りたお金を30年ぶりに返すことができた」と説明する。
残るは車体課税の抜本見直しだ。金子会長は「耐久消費財である自動車や二輪車の取得や利用が増えれば、人流が増え、物流が増え、内需が拡大し、全国津々浦々、特にクルマを使う地方には経済効果が期待できる。こんなに付加価値が期待できる税制改正は他にない」と強調した。短期的な代替財源や税制中立といった議論ではなく、電動化や知能化の時代を見据えたあるべき自動車税制の議論が求められる。

「負担の軽減、簡素化がわれわれの一丁目一番地」と語る金子会長
| 対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞11月27日掲載











