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2025年11月12日

トヨタ、運転能力を判定 「ドライビング・ヘルス」を一部販社で実証開始

 トヨタ自動車が、運転能力シミュレーター「ドライビング・ヘルス」を用いた実証を一部の系列販売会社で始めた。名古屋大学と共同開発したもので「操作力」「リスク判断」「認知」「視野」の4項目で運転者の状態を推定し、運転能力を総合判定する。高齢ドライバーの事故が社会問題となる中、将来的な商品化を通じ、運転を続けるかどうかの目安にしてもらったり、判定結果に応じた先進運転支援システム(ADAS)の提案につなげたりする。

「ドライビング・ヘルス」の実証風景

 全国12社の販社が協力し、店舗内や地域イベントなどで実証を始めている。運転能力の判定後は、運転上の弱点を補うトヨタ車の装備を紹介する機能も搭載している。実証で集めたデータはシミュレーターの改良に活用していく。商品化の際はまず、自動車販売会社向けに売り出す考えだ。

 警察庁によると、75歳以上の高齢運転者による死亡事故は増加傾向にあり、車両単独事故は75歳未満の約2.5倍になるという。認知や判断機能の衰えも理由の一つで、取り締まりの強化では事故を防ぎにくい。国も高齢者の自主的な免許返納を促したり、75歳以上で一定の違反歴がある運転者に「運転技能検査」を義務付けるなど対策を強化しているが、地方では公共交通機関が衰退し、自家用車が有力な交通手段となっている実態もある。

 トヨタの担当者は「判定結果がすべてではないが、運転免許返納の判断材料の一つにしてほしい。運転能力のある方には、長く乗り続けてほしい」と語った。

日刊自動車新聞11月12日掲載