2025年11月6日
〈JMS2025〉タイムスリップ・ガレージ 30台以上の名車を展示
ジャパンモビリティショー(JMS)2025では、未来のモビリティだけでなく、過去のモビリティや自動車文化にも焦点を当てている。「タイムスリップ・ガレージ」では、戦後から2000年代までの名車と呼ばれたモデル30台以上が、当時の街並みや流行歌とともに展示されている。快適性や走行性能、楽しさなどを追い求めて進化を続けてきたモビリティの歴史を感じられるコーナーとなっている。さながら「自動車メーカーの垣根を超えてニッポン自動車産業の歩みを振り返る博物館」のようだ。
「モビリティは単なる移動手段ではない。人々の心を震わせ、暮らしの記憶や価値観さえも形作ってきた」(日本自動車工業会の片山正則会長)―今回のJMSは過去・現在・未来を行き来しながら、自動車をさまざまな角度で楽しめるように工夫している。タイムスリップ・ガレージでは過去のモビリティに焦点を当て、そのクルマの歴史的な背景や、文化的意義なども紹介している。
ガレージ入口は立川飛行機から派生した東京電気自動車(後のプリンス自動車工業)の電気自動車(EV)「たま」が出迎えてくれる。戦後の石油不足に苦しむ1947年に製造された野心作だ。ブース内にはプリンス自工を買収した日産自動車のEVレーシングカー「リーフニスモRC」も展示され、日産のEVの進化を感じることができる。
技術視点で注目されているのがホンダの「シビックCVCC」とエンジンブロックだ。「達成は不可能」と言われた70年発効の米国排出ガス規制(通称=マスキー法)に世界で初めて適合した。技術で環境負荷低減を実現する思想は現在のホンダに引き継がれている。
自動車文化の軸では80年代のポップカルチャーの象徴といえるホンダのコンパクトカー「シティ」、バイク「モトコンポ」、ヤマハ発動機の「ジョグ」を「懐かしい」と口にする来場者も少なくない。いすゞ自動車の2代目「ジェミニ」、トヨタ自動車の「セルシオ」、スバルの初代「レガシィ」など、バブル期前後の名車がブースを彩る。
さらにヤマハ発動機の「YZR500」や、三菱自動車の「パジェロ」のダカール・ラリー参戦車といったレーシングモデルや、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」シリーズで一躍有名になったDMC「デロリアンDMC―12」なども来場者を楽しませている。
小型車からミニバン、スポーツカー、SUVなど、ジャンルを問わない過去の多様なモデルの展示は、当時を知る人には懐かしさを、若者には新鮮さを感じさせる。モビリティの現在までの進化の歩みを改めて振り返ることができる企画になっている。

名車と当時の文化を体感できる (写真手前はスズキの初代「ジムニー」)

国産EVの始祖、東京電気自動車「たま」

マスキー法クリアで世界的にも知られる ホンダのCVCCエンジン

ミッドシップレイアウトで「天才タマゴ」と呼ばれたトヨタ自動車の初代「エスティマ」

マクラーレン「MP4/4」はバブル期のF1ブームを象徴する1台
| カテゴリー | 展示会・講演会 |
|---|---|
| 対象者 | 大学・専門学校,一般,自動車業界 |
日刊自動車新聞11月6日掲載











