2025年10月16日
〈岐路に立つ自動車税制〉総務省、「グリーン化特例」 低年式HVも自動車税の増額対象に
総務省は、新車登録から一定年数が経過した自動車の(軽)自動車税種別割を増減する「グリーン化特例」について、現在は重課(増税)の対象から除外されているハイブリッド車(HV)を含めるよう2026年度税制改正で求める方針だ。経済産業省や自動車業界は、購入時に上乗せされる「環境性能割」の廃止を求めている。グリーン化特例の重課対象拡大は、仮に環境性能割が廃止された場合、地方税収を少しでも埋め合わせる狙いがあるとみられる。
(軽)自動車税のグリーン化特例は01年4月から導入された。現在は電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車(FCV)、天然ガス自動車の新車について、購入翌年度の(軽)自動車税をおおむね75%軽課(減税)するもの。
内燃機関を持たないEVの自動車税は、最も税額の低い排気量1リットル以下の車と同じ年間2万5千円。グリーン化特例が適用されると、購入翌年度に限り6500円で済む。軽EVなら2700円だ。
グリーン化特例は、減税分と増税分を等しくする「税収中立」が制度の前提だ。このため、新車登録から13年を超えたガソリン車とLPG(液化プロパンガス)車、11年を超えたディーゼル車は約15%の重課になっている。軽は約20%の重課だ。
ただ、現行制度ではEVやPHV、FCVなどに加え、燃費の良いHVも重課の対象外だ。しかし総務省は、年式が古いHVは最新のHVと比べて燃費が悪く、環境負荷も相対的に大きいことから、グリーン化特例の重課対象にHVも加えることを求めることにした。すでに自動車重量税では、一定年数が経過した内燃機関車とHVは税率が上がる仕組みになっている。
国内市場ではHVが増加しており、燃費改善率が低い「マイルドHV」も増えている。総務省では「税負担の公平性」の観点からも、古いHVの重課を求めていく。経産省や自動車業界が反対する可能性もある。
総務省ではこのほか、(軽)自動車税が最低水準に抑えられているEVとFCVについて、重量ごとに課税する制度の導入も求める。
HVは発売から四半世紀以上の歴史を持つが…(初代プリウス)
対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞10月16日掲載