2025年10月9日
日産、新型「リーフ」 国内仕様は518万円から 航続距離は日本メーカー最長の702km
日産自動車は8日、新型電気自動車(EV)「リーフ」の国内仕様車を発表した。17日から受注を始める。価格は518万8700円(消費税込み)から。電池容量は78㌔㍗時で、航続距離(WLTCモード)は日本の自動車メーカーの国内向けEVでは最長となる702㌔㍍とした。2026年2月には、電池搭載量と価格を抑えたグレードも発売する。
8年ぶりの全面改良となる3代目は、快適性と利便性の向上に焦点を当てた。米グーグルの地図情報と連携し、目的地までの渋滞や勾配、経路上の充電設備情報などを電池の残量管理に役立てている。出力150㌔㍗で急速充電した場合、約35分の充電で電池残量を10%から80%まで回復できる。
国内投入に当たり、サスペンション部品やタイヤは専用品とし、高速道路や市街地を走り込んで完成度を高めた。平均車速の高い欧米ではハンドリングを重視した一方、国内仕様は段差の乗り越えなどを意識し、乗り心地を高めた。自動車専用道路でハンズオフ(手放し)運転が可能な「プロパイロット2.0」もオプション設定する。
開発陣は、神奈川県から兵庫県や広島県などへの走行テストを重ね、1回25分ほどの急速充電を3回すれば1千㌔㍍を走破できることを確認したという。
価格は、先代の60㌔㍗時電池搭載車(税込み525万3600円)以下とした。電池の調達コストや旗艦EV「アリア」との部品共通化などで価格を抑えた。来年2月に発売予定の「B5」は電池容量を55㌔㍗時とし、補助金を含めて実質350万円程度の価格を目指す。
国内販売を担当する杉本全執行職は「価格も航続距離も一つひとつ真摯(しんし)に向き合った。これが私たちの回答だ。市場で受け入れられることが、日産の復活のトリガーの一つになると信じている」と語った。
「EVの壁に正面から向き合い続けた」と語る杉本執行職(左)
対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞10月9日掲載