2025年9月1日
経産省、2026年度概算要求 無人自動運転サービスで新たに10億円 SDVには3億円
経済産業省は8月29日、2026年度概算要求を公表した。一般会計と特別会計を合わせた要求総額は2兆444億円(前年度当初予算比約19%増)。自動車関連では、無人自動運転バス・トラックの実用化やソフトウエア・デファインド・ビークル(SDV)に向けたデータ連携基盤の整備に新規予算を要求した。充電インフラ網の整備などでは前年度の2倍近い予算を要求。米関税政策で先行きの不透明感が続く中、中小企業などへの支援も手厚くする。
「無人自動運転サービス実装推進事業」として新規で10億円を要求した。バスはインフラ協調の事例を積み上げる。高速道路上で実証を重ねているトラックは、一般道の物流拠点までを含めた技術開発も視野に入れ、27年度までの実用化を後押しする。「SDVの安定供給に向けたデータ連携基盤の整備事業」には、新規で3億円を要求した。
40年に名目GDP(国内総生産)を足元の600兆円から約1千兆円に増やす目標に向け、グリーン・トランスフォーメーション(GX)や量子、宇宙など付加価値の高い分野への投資も促す。GX分野のクリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)は、前回の補正予算とほぼ同じ1050億円を要求した。
日米関税交渉では、EVより燃料電池車(FCV)の補助額が多い現行制度を「非関税障壁」として米国側が問題視した。経産省は制度を見直す考えだが、一方でEV充電や水素充てん設備への補助金は197億円と、前年度当初予算の100億円から倍増させる。車両とインフラの両輪でCEVの普及を加速させる。日米合意を踏まえ、補助対象となる充電器の見直しも検討する。
米国関税や物価高の影響が中堅・中小企業を直撃する中、賃上げの定着や成長促進、地方創生などに1761億円を充てるほか、中小・小規模(零細)企業に対する機動的な金融支援などを、金額を示さない事項要求とした。
税制面では、国内投資の拡大による経済の好循環を形成するため、5年間を「集中投資期間」とし、大胆な設備投資を促す新たな税制を求めた。
対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞9月1日掲載