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2025年8月28日

スキャンツール補助金、国交省が改めて周知を徹底 業界団体に協力呼びかけ

 2024年度補正予算による「スキャンツール(外部故障診断装置)補助金」に関し、国土交通省は業界団体の協力を得て整備事業者への周知活動に改めて取り組んでいる。日本自動車整備振興会連合会(日整連、喜谷辰夫会長)に、全国の整備振興会も含めてホームページに補助金の案内バナー掲載を依頼した。スキャンツールの普及を後押しすることで、整備事業者の対応力の強化につなげてもらう狙いだ。

点検整備にスキャンツールは必須のアイテム(写真は6月に都内で開かれた第38回オートサービスショー2025での出展風景)

国交省は、5月下旬に日整連などの業界団体と、全国の地方運輸局自動車技術安全部整備(整備・保安)課などに順次、スキャンツール補助金に関する周知依頼文を送付し、整備事業者に展開するよう求めた。今回もそれらに続く周知活動の一環となる。日整連は補助金の案内バナーをホームページに掲載済みで、全国の整備振興会は準備が整い次第、実施される見通しだ。

 スキャンツール本体の価格(設備費)と、スキャンツールに関する研修費の3分の1をそれぞれ補助する。補助上限額は設備費が15万円、研修費が1万円。1事業場当たり最大で16万円の補助を受けることができる。スキャンツールの構成品であるパソコンなども補助する。対象の機器や研修の一覧は、補助事業のホームページで確認できる。24年4月1日から26年1月30日までに購入・支払いを終えていることが条件だ。

 前回のスキャンツール補助金で交付を受けた整備事業者でも、異なる補助対象のスキャンツールを導入するのであれば、今回の補助金に申請することができる。

 国交省は「先進安全自動車の整備環境の確保事業」として、3月31日からスキャンツールの導入などを支援する補助金交付申請の受け付けを開始した。期間は26年1月30日までだが、先着順で予算がなくなり次第終了する。24年度補正予算による予算額は10億5千万円を確保しているが、補助事務執行団体によると、8月24日時点の予算消化率(概算値)は約25%で推移している。

 衝突被害軽減ブレーキなど先進運転支援システム(ADAS)の誤動作を防ぐための点検整備には、スキャンツールが不可欠となっている。そのため国交省は、スキャンツールの導入補助を通じ、整備事業者が先進安全自動車(ASV)などの点検整備を確実に実施できる環境の構築を支援していきたい考えだ。

 スキャンツールを活用したOBD検査は、24年10月から国産車(21年10月1日以降の新型車)を対象に本格運用が始まった。今年10月から輸入車(22年10月1日以降の新型車)が対象に加わる。国交省によると、5月末時点でOBD検査対象型式は1023型式、OBD検査対象台数は約456万台(登録車約319万台、軽自動車約137万台)、OBD検査実績は18万4065台となっている。

日刊自動車新聞8月28日掲載