2025年8月21日
T2と石油7社、カーボンニュートラル燃料の利用拡大へ 自動運転トラックで普及図る
T2(熊部雅友代表取締役CEO、東京都千代田区)は、石油業界7社とカーボンニュートラル(CN)燃料の利用拡大で合意した。参加社間で給油オペレーションの改善などを進める。ドライバー不足を背景に普及が期待される自動運転トラックでCN燃料の普及を図る。
7社は、出光興産や伊藤忠エネクス、宇佐美鉱油、宇佐美グループの三和エナジー(高松克行社長、横浜市港北区)、ENEOS、ENEOSグループのENEOSウイング(大石和宏社長、名古屋市中区)、太陽石油(山本堯大社長、東京都千代田区)。
CN燃料をめぐっては、官民で開発や普及活動が進む一方、コスト削減や安定供給、一部燃料はエンジンや給油所側の対応などが要る。一部の燃料では給油時に手続きが必要など、オペレーションの煩雑さも課題とされる。
こうした中でT2は、高速道路のインターチェンジ(IC)付近に、自動運転(高速道路)と有人運転(一般道)を切り替える拠点の開発を進めており、拠点の敷地内に給油所を整備しやすい。さらに、長距離輸送を前提とする自動運転トラックでCN燃料を用いれば、二酸化炭素(CO2)排出の削減にも寄与できるとみる。
合意では、T2が石油業界各社からCN燃料の供給をそれぞれ受け、自社の自動運転トラックで試験的に利用する。まず、T2がパートナー企業と取り組む実証から取り入れつつ、今年7月から始めた商用運行での利用も検討していく。
第一弾として、▼軽油にバイオディーゼル燃料を5%未満混ぜた「B5軽油」を宇佐美鉱油および三和エナジーから▼廃食油や廃動植物油脂を主な原料とする「リニューアブルディーゼル」を伊藤忠エネクスから供給を受け、住友化学グループとT2で始めている実証で利用する。
こうした実証も踏まえながら▼B5軽油を利用してもなお排出される残り95%のCO2に対してカーボンクレジットを付与し、燃料油の100%分をオフセットできる出光興産の「出光カーボンオフセット fuel B5 軽油」の利用も視野に入れる▼合成燃料について、パートナー企業との実証において、将来的にENEOS、宇佐美鉱油、三和エナジーおよびENEOSウイングと利用方法を検討▼太陽石油とCN燃料の安定供給のあり方を協議する―などの取り組みを進める。
個別の取り組みについて、今回、合意した各社との間で進ちょくを順次共有し、供給や給油オペレーションなどの改善につなげていくとしている。
B5軽油
リニューアブルディーゼル
合成燃料
対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞8月21日掲載