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2025年8月18日

日本メーカー3社の2025年7月中国新車販売、4.4%増で4カ月ぶりプラス転換

 日本の自動車メーカー3社の7月の中国新車販売は前年同月比4.4%増の25万3876台となり、4カ月ぶりに前年実績を上回った。政府の買い替え支援策が追い風になったほか、現地向けの新型車戦略が奏功した。メーカー別では、ホンダが17カ月連続で減少する厳しい状況になっている。中国専用車「イエ」シリーズのテコ入れを急ぎ、挽回を目指す。

 

 トヨタ自動車は15万1700台(同5.7%増)を売り、6カ月連続で前年を上回った。一部地域で5月以降、地方政府が消費財の買い替え補助金を早期終了する動きが広がっており、駆け込み需要があったと分析する。年式が古い車ほど優遇する一汽トヨタ独自の下取り促進策や、広汽トヨタ「bZ3X」やレクサス「ES」などの新型車による効果もあった。

 日産自動車も2カ月連続で増加した。4月に発売した電気自動車(EV)「N7」は6455台を売り、販売全体の1割超を占めた。現地法人の東風日産は同モデルを起点に販売網改革とイメージの刷新にも取り組んでいる。

 一方、ホンダは4万4817台(同14.7%減)だった。3月以降、イエシリーズ2車種を投入したが価格や「知能化」の対応で苦戦し、販売計画を下回っている。藤村英司執行役常務は25年4~6月期決算説明会で「(中国発の人工知能)『ディープシーク』を入れたり、『モメンタ』とADAS(先進運転支援システム)の領域で(新しいソフトウエアを)入れたりして、スピード感を持って対処したい」と話した。

 1~7月の3社の合計販売は前年同期比5.4%減の168万6199台だった。

 中国汽車工業協会(CAAM)によると7月の中国新車販売は前年同月比14.7%増の259万3千台だった。「新エネルギー車」は同27.4%増の126万2千台で、EVが81万1千台、プラグインハイブリッド車(PHV)が45万1千台だった。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞8月18日掲載