2025年7月24日
大成建設 EV走行中無線給電の実証に成功 国内初の60Km/hで
大成建設は、時速60㌔㍍で走行する電気自動車(EV)に最大出力10㌔㍗で連続無線給電する実証実験が成功したと発表した。高速走行するEVの高電圧で無線給電する技術の実証は国内で初めて。今後、無線給電道路の実用化と高速道路での適用を目指していく。
同社は、舗装道路に高周波の電気を流す送電電極を埋設し、受電電極を装備した走行中のEVに無線給電する「電界結合方式」の技術開発に2012年から着手、既存の工法で無線給電道路を整備する技術を確立した。
今回、次世代技術実証センター(福島県田村市)内にある1周約900㍍の「舗装のテストトラック」の直線区間に20㍍の電界結合方式による無線給電道路を施工した。
実証実験では受電電極を搭載したEVトレーラーを一般車両でけん引し、時速0~60㌔㍍で走行させて最大出力10㌔㍗で連続無線給電して電力の伝送効率を計測した。この結果、最高時速60㌔㍍で走行する車両への伝送効率は平均66%で、道路側からの最大10㌔㍗の出力で、EVが6~7㌔㍗の電力を連続受電できることを確認した。
従来、走行中のEVへの無線給電の実証実験は最高時速20㌔㍍程度にとどまっていた。高速走行中のEVへ無線給電できれば、EVの長距離・連続走行が可能になるのに加え、整備が進めば高価な車載用バッテリーの小型化・軽量化、EVのコストダウンにもつながる。
電界結合方式での無線給電道路は送電電極と送電システムが道路の表層から100㍉㍍以上の深い場所に埋設する。今回の実証では、大型トラックなども走行する舗装構造で電力損失を抑えて送電できることも確認した。
無線給電道路のイメージ
対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞7月24日掲載