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2025年7月24日

2025年6月のディーラー新車受注動向、若干減速 停滞感は一時的な可能性

 日刊自動車新聞が販売会社を対象に実施した新車の「受注動向調査」で、6月は前月に引き続き「変わらない」とした販社が最も多かった。ただ、5月にみられなかった「悪い」との回答が一定数出てきた。「やや良い」としたところも少なくなっており、受注の勢いが若干減速しているもようだ。人気車種などの一部で受注に制約が出ていることなどが影響したとみられる。ただ、3カ月後の見通しについては、「良くなる」「やや良くなる」との声が目立つ。夏の〝ボーナス商戦〟への期待も高まっていることから、足元の受注の停滞感は一時的なものとなる可能性が高そうだ。

 「前年同月よりも低かった」(ホンダカーズ店)、「新規客が4割ほど減少している」(日産系)など、6月は受注獲得に苦戦しているとの声を上げる販社が増えた。

 同月の軽自動車を含む新車販売台数は、前年同月比5.2%増の39万3160台。6カ月連続でプラスとなるなど新車の市場自体は力強い。ただ、「予想よりも(一部車種の)受注ストップが早く、当初の販売計画が崩れた」(カローラ店)など、いまだ受注に制約が残っていることが水を差したとみられる。日産系では「法規対応に伴って受注が止まった車種が出た」ことも逆風になった。

 大勢を占めた「変わらない」という販社の中でも、温度差が出ている。「新型『フォレスター』が好調」(スバル系)や「堅調に推移している」(トヨタ系)と明るさが目立つ回答もある中、「物価高と値上げが効いている」(ホンダカーズ店)と慎重な販社もあった。

 今後については、前向きな見方を示すところが多い。3カ月後の見通しも「変わらない」とした販社が最も多かったものの、前月調査よりも上向くとみているところが増えた。「悪くなる」「やや悪くなる」の回答もなかった。

 あるトヨタ系販社では「8月以降、受注できるようになる車種が出てくる」とみているほか、「メーカーの供給台数が回復してくると予測している」(カローラ店)といった声が目立った。マツダ系も「新型『CX―5』の発表で現場の士気が高まっている」と、受注拡大への意欲が高まっている。

 ただ、「予測は難しい」(トヨタ店)と、先行きを心配する販社も根強い。受注の流れを上向かせるには、いかに足元の夏商戦で勢いを付けられるかが課題となりそうだ。

 同調査は日刊自動車新聞の支社・支局が全国の販社に聞き取りし、回答結果をまとめた。


マツダ系は新型CX―5への期待が高まる

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞7月24日掲載