トヨタ自動車は、豊田章男会長をはじめグループ企業トップらが一堂に会して交通安全について議論する「タテシナ会議」を長野県茅野市で開いた。2023年以来、2年ぶり3度目の開催で、約80人の参加者は〝交通事故ゼロ社会〟の実現に求められる「人の行動変容」につながる方策などを議論した。
トヨタと系列販売店が1970年に建立した蓼科山聖光寺で行う交通安全祈願の夏季大法要に合わせて開いた。今年の会議ではウーブン・バイ・トヨタの隈部肇CEO(最高経営責任者)が登壇。「ウーブン・シティ」の実証事例として、車両とインフラの協調制御を紹介した。警察庁長官官房審議官の阿部竜矢氏らを招いたパネルディスカッションでは、人の行動変容につながる交通事故報道のあり方や、さまざまなデータを利活用することで、人・車・交通インフラをつなぐエコシステム(生態系)の重要性も示された。
トヨタの豊田会長は法要後に報道陣の取材に応じ「交通事故ゼロに向けて当事者意識を持ち、三位一体で自分たちでできることをやろうという議論に一歩踏み込んだ。日本として取り組む気運を高めるような動きになっていく予感を感じた」と語った。