2025年7月11日
国交省、逆走根絶へ新対策 重点対策箇所を選定 今秋めど具体策 AI活用し新技術も
国土交通省は、逆走対策が必要な「重点対策箇所」として、高速道路上の189カ所を選定した。今秋をめどに具体策を公表する。高速道路3社で人工知能(AI)を活用した車両検知など新たな対策技術の実証も進め、2026年度以降の実用化を目指す。高速道路上の逆走は約10年前の年間1千件程度から同200件へと5分の1に減った。ただ、重大な死傷事故につながりやすい上、ドライバーの高齢化に伴い、なかなか根絶できないのが現状だ。国交省としては粘り強く対策を続け、逆走の根絶につなげる。
高速道路上のサービスエリア(SA)や料金所付近などで発生した逆走の件数は、24年は220件だった。このうち約2割が死亡者や負傷者、物損が生じる事故に発展している。逆走事案の約7割が65歳以上の高齢ドライバーが起こしており、ドライバーの認知能力に問題があるケースが多かった。
逆走防止に向け、逆走の発生件数が多い189カ所を中心に対策する。統一的な対策としては、矢印型路面標示やカラー塗装、矢印板を追加し、視覚的に注意喚起を促す。また、埋込型ブレードや錯視効果を応用した路面標示なども取り入れていく。
あわせて、新たな逆走対策技術の実証にも乗り出す。NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本の3社で、19件の対象技術の実証を秋から実施する。高速上に設置したカメラ映像をAIで解析し、逆走車両を検知する技術や、スマートフォンの位置情報などで逆走を検知し、アプリ上で警告する技術などを試す。実証内容を踏まえ、来年度以降の実用化を目指す。
対象者 | 一般,自動車業界 |
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日刊自動車新聞7月11日掲載