2025年6月18日
日産、「リーフ」8年ぶりフルモデルチェンジ クロスオーバーSUVに一新 15年の進化を問う
日産自動車は17日、電気自動車(EV)の新型「リーフ」を発表した。全面改良は8年ぶり。3代目に当たる新型は現行の5ドアハッチバック(HB)からクロスオーバーSUVへと車型を一新し、EVの〝主戦場〟で初代から15年の進化を問う。国内でも年内に発売する。車両価格もガソリン車以上に注目される。

クロスオーバーSUVに生まれ変わった3代目「リーフ」
同日、北米仕様の仕様などを公表した。電池容量52㌔㍗時と75㌔㍗時の2タイプをラインアップする。後者は米EPA(環境保護庁)基準の航続距離が303㍄(約487㌔㍍、社内測定値)に達する。出力150㌔㍗の急速充電の場合、電池残量10%から80%まで最短35分で充電できるという。
米国市場を皮切りに、カナダ、欧州、日本で発売する。生産は栃木工場(栃木県上三川町)と英サンダーランド工場が担う。国内の販売価格は追って公表する。
リーフは2010年、三菱自動車「アイミーブ」に次ぐ量産EVとして発売された。17年発売の2代目を含め、これまでに世界で70万台超を販売した。
新型車は「新しい将来のスタンダード」(商品企画本部の遠藤慶至チーフプロダクトスペシャリスト)となることを目指した。「アリア」と共通のプラットフォームを使う。全長は現行型より120㍉㍍短いが、eアクスルの小型化やHVAC(空調ユニット)を車室外に組み込むことで現行車並みの空間を確保した。後部サスペンションはマルチリンク式(現行車はトーションビーム式)を採用し、車体の横剛性を7割近く高めた。群雄割拠のEV市場で新たなベンチマークとなることを目指す。
4月に発足したイヴァン・エスピノーサ新体制にとって初の新型車となる。遠藤チーフプロダクトスペシャリストは「日産が新たなことに挑む姿勢を表す一つの象徴だ」と話す。工場閉鎖や人員削減など、痛みを伴う再建の途上にある日産。新型リーフが復活に向けた道しるべとなるか。
対象者 | 一般,自動車業界 |
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日刊自動車新聞 6月18日掲載