2025年6月12日
日本メーカー3社の2025年5月中国新車販売、2カ月連続マイナス
日本の自動車メーカー3社による5月の中国新車販売は26万3006台(前年同月比2.9%減)と2カ月連続で前年実績を下回った。「新エネルギー車(NEV)」の値下げ競争について、中国当局や中国自動車工業会(CAAM)が声明を出しており、過当競争に歯止めが掛かるか注目される。
トヨタ自動車は同6.8%増の14万9900台で、4カ月連続で増加した。特に販売好調な一汽トヨタ(同24.2%増)は、年式が古い車ほど優遇し、政府分と合わせて最大3万元(約60万円)が補助される下取り促進策「タイムリニューアルプラン」が奏功している。
半面、日産自動車は同9.7%減の5万7998台、ホンダも同16.8%減の5万5108台に終わった。昨年から前年実績割れが続く。ただ、東風日産は新型電気自動車(EV)「N7」の受注が好調で、鄭州日産もプラグインハイブリッド車(PHV)のピックアップトラック「Z9 GE PHEV」を5月末に発売して巻き返す。
CAAMは5月末、「無秩序な価格競争は企業利益を圧迫し、製品の品質やアフターサービス保証に影響を与えている」とする声明を出した。「コストを下回る価格で販売せず、消費者を誘導する虚偽の宣伝を行わないこと」などを求めており、中国政府も賛同する姿勢を示す。日本貿易振興機構(JETRO)によると、比亜迪(BYD)の22車種値下げをきっかけにした値引き競争を指しているとみられる。
対象者 | 自動車業界 |
---|
日刊自動車新聞6月12日掲載