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自動車産業インフォメーション

2025年5月26日

国交省 2、3級整備士の受験で必要な実務期間を短縮 特定整備の工場設備も見直し

 国土交通省は、自動車整備制度の一部を見直す。2、3級自動車整備士の受験に必要な実務期間を短縮するほか、特定整備工場に必要な設備も見直す。一方で、自動運転システム(自動運行装置)を搭載した車両の車検判定は1級整備士に限るなどする。6月中旬までパブリックコメント(意見公募)を実施し、7月中に省令を改正する。

 現在、3級整備士の受験には半年から1年以上、2級の受験には1年から3年以上の実務経験が要る。改正後は3級で現在の半分、2級で3分の2にする。自動車タイヤ整備士の受験資格も、実務経験期間を今の3分の2にする。実務経験の期間を短縮して整備士の母数を増やす。

 一方、「レベル3」(条件付き自動運転)以上の自動運行装置を搭載する車両の検査を担う自動車検査員は、1級整備士資格の保有を条件とする。「一級小型自動車整備士」は2003年にできた。累計で2万人ほどの有資格者がいるとされるが、等級ごとの作業内容に制限は特になかった。改正により1級資格の優位性を高め、資格取得者を増やす狙いもある。

 また、自動車特定整備事業場に必要な機器から「トーイン・ゲージ」「キャンバー・キャスター・ゲージ」などを削除するほか「エンジン・タコテスター」の代わりにスキャンツール(外部故障診断機)を備える形でも可能にするなど、規則を一部改正する。電気自動車(EV)や自動運転車の整備に適した形に改めていく。

 実務期間の短縮や必須設備の見直しは25年7月、自動運行装置搭載車の検査資格見直しは29年4月からそれぞれ施行する。

対象者 自動車業界

日刊自動車新聞5月26日掲載