2025年5月9日
2025年4月の輸入車販売、スズキが初のトップ インド生産車のジムニーなどけん引
日本自動車輸入組合(JAIA、ゲルティンガー剛理事長)が8日発表した2025年4月の日本メーカー車を含む輸入車全体の新規登録台数で、スズキが初のトップとなった。同月は3990台(前年同月は48台)を販売し、すべての月を通じて過去最高だった。24年10月に国内販売を始めた「フロンクス」に加え、25年4月発売の「ジムニーノマド」といったインド生産車がけん引した。また、1~4月の累計実績では、ホンダが首位を維持している。海外生産車の品質向上で、ユーザーに広く受け入れられ始めたことが、輸入車市場で日本車の存在感が増す一因となっている。
スズキは08年にハンガリー製の「スプラッシュ」を国内発売したのが、海外生産車の導入の始まり。効率的に商品ラインアップを増やす目的があったとみられ、その後も「エスクード」などでも取り組んでいたが、適宜終了していた。品質面などで抵抗感があるユーザーが一定数いたことも、判断材料となっていたもよう。
この流れが変わったのは昨秋のフロンクスからだ。品質向上だけではなく、日本向けには四輪駆動(4WD)車を設定するなど国内ユーザーを重視して造り込んだことが奏功して好発進。24年9月は4台にとどまっていたスズキの輸入車の販売台数が、発売した10月に2141台に急増。順位も4位に浮上した。これ以降、毎月5、6位で推移していたが、人気車のジムニーノマドの発売をきっかけに首位を獲得した格好だ。
日本勢で先行しているホンダは、25年4月の実績がマイナスだった。ただ、24年4月に約28年ぶりのトップを獲得して以降、高い水準をキープしてきたことを考慮すると、比較対象が大きかった要因もあったとみられる。ホンダは歴史的に海外生産車の導入に積極的なメーカーだが、これまでは品質面のイメージがネックとなるモデルも少なくなかった。しかし、昨春発売のインド製「WR-V」では品質アップに加え、戦略的な価格設定もあり顧客の支持を集めた。24年度の実績も首位に189台差の2位まで詰めた。
ホンダは、海外生産車の追加を予定している。スズキも今後、インド製の電気自動車(EV)を国内発売する計画となっている。品ぞろえがさらに充実していけば、輸入車市場で日本車がトップとなる可能性もありそうだ。
対象者 | 自動車業界 |
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日刊自動車新聞5月9日掲載